種も水道も大丈夫か?

その2

更に恐ろしい法案は「水道法改正」です。                                                   

2013年4月19日にワシントンDCのシンクタンクCSIS(アメリカ戦略国際問題研究所)で,現政権の麻生副総理が次のように語りました。

「世界中のほとんどの国では、プライベートの会社が水道を運営しているが、日本では自治省以外ではこの水道を扱うことはできません。しかし水道の料金を回収する99.99%というようなシステムを持っている国は日本の水道会社以外にありませんけど、この水道はすべて国営もしくは市営町営でできていて、こういったものをすべて民営化します。いわゆる学校を造って運営は民間、民営化する公設民営そういったものも一つの考え方に、アイディアとして挙がってきつつあります」

このシンクタンクは、マイケル・グリーン氏、リチャード・アーミテージ氏などが所属する組織で、日本の政権に深く係わって来ています。
世界の国々の水道事業の運営を見ると、確かに麻生氏の言う通り、民営化に舵を切っているようです。

フランス、イギリスでは70%以上が民営で、他の欧州諸国、アメリカ、南米の国々でも50%以上が民営です。
ところが公益を民業に委ねることの矛盾が頻発して、再び公営化に戻す動きが出て来ています。
2010年からフランスのパリ市は、公営化しました。1985年に民営化してから2009年までに水道料金は3倍以上に上がりました。
民業からすれば経営を維持し、利益を上げるためには人員削減、水質低下、料金値上げは当たり前の経営判断です。

同じように世界の主要都市の再公営化は加速していて、2000年から2014年までの間に、180件に上ります。(国際公務労連加盟組合日本協議会PSI-JCの発表)
途上国では、世界銀行IMFの資金援助とセットになって水道事業の民営化が推進されてきました。
しかし、結局水道料金の負担に国民が苦しんでいる現状があります。

1997年にフィリピンのマニラ市は、アメリカのベクテル社に水道事業を委託しました。その結果、水道料金が4倍になりました。
1999年ボリビアのコチャバンバ市では、同じくベクテル社が請け負い、水道料金が3倍になりました。住民は暴動を起こして死者6人、負傷者175人を出す惨事になりました。

 

日本の水道事業の資産規模は30兆円と云われ、ほぼ100%の料金回収率となればベクテルのような巨大企業(年商5兆円)にとって特級の有望事業に見えているに違いありません。大阪市では、前・橋下市長が、水道事業の民営化を主張して議案を出してきましたが、ついに賛成票を得られずに、この3月に市議会で正式に廃案となりました。反対する市議の皆さんの見識を褒めたいと思います。しかし、現・吉村市長は橋下氏の政策路線をそのまま走らせているので安心はできません。

政治家が、公共事業の民営化について鉄道や電気、ガス、電信と同じようにライフラインの水道事業を見る危うさに私たち自身が関心を持たないといけないと思います。岡目八目、アメリカに住む友人には、なにからなにまでアメリカの意のままに日本の政治が操られているように見えていて、これではいずれ日本がアメリカ51番目の州になるのではないかと心配してくれました。

文責:日本オーガニックコットン流通機構 顧問 宮嵜道男
2017/9/6