「商売繁盛のコツ」についての講演

箸匠せいわ会長、商売繁盛応援団団長という肩書で年間200回以上の講演をこなす木越和夫さんの講演を聞いてきました。

著書には「小さな会社 商売繁盛の特効薬」「臆病者の経営学」があります。                    50人以下の小規模な企業のコンサルタントも行っています。

福井県小浜市で生まれ、27歳で家業の箸製造業を引き継ぎ、浮き沈みの中を泳ぎ切り、商売のコツを掴みました。箸という商品のTPOに合わせた演出・売り方を徹底的に考えました。当たり前の割りばし、祝箸、塗箸に始まって、合格祈願の箸、選挙当選の箸、恋愛成就の箸、そして幼児が正しく箸をもてるように工夫したトレーニング箸、等々次から次へと箸を売るための演出実例を機関銃のような勢いで披露してゆきました。綾乃小路きみまろの漫談ばりの笑いを交えて90分があっという間に過ぎてゆきました。

ほとんど毎日のように全国を飛び回って、講演している熟練の凄味を感じました。売れるものは何でも売る、終了後はいち早くロビーに出て、自著にサインをしながら売っているのには感心しました。売り込む勢いというのはやはり必要な要素と感得しました。木越式商売繁盛のポイントを要約してみると次のような事になります。但し、50人以下の小規模企業向けですよ、と限定されていました。

1 何事も前向きに考える。向かい風も振り返れば追い風になる。下り坂も下から見れば昇り坂とみる。

2 お客様が、困っている事や物を常に探す。時代の変化が激しいと「困ることが多い」からチャンスと捉える。人は褒めると褒められた所以外のダメなところを云ので、そのダメで困っているところに注意を向ける。

3 男と女は、見ているところが全く違うことを理解する。女性は、いくつになってもオシャレが好きで「夢見る乙女」の意識を持ち続けている。女性は無条件に「天使」が好き。天使のデザインは売れる。

4 売れる価値は、買う理由と売る理由の重なったところにある。重なっていないところは、どんなに努力しても売れない。

5 物を売るには、その商品が、お客様にとってどれ程いいことがあるかを示すこと。

6 何かを伝える時は、楽しさの演出が要る。品質、価格がさほど違わなければ、楽しそうな方を選ぶ。

7 お金を掛けないで競合に一歩先んじるには、気配りを活かして、お客様に如何に心地よさを提供することである。

8 キリンビールの「秋味キャンペーン」は凄い。ビールは、夏の後の涼しさでガクッと売り上げが落ちる。そこで酒飲みの先回りして秋は秋味ビールがうまいとプロモーションして大成功した。この発想が大事で消費者の意識の先回りをすること。

9 儲かると云う字は、左から見て、信者と読める。信者を増やす、ファンを増やす、固定客を増やすと儲かる仕組みがある。不特定多数の流れの消費者より、目の前のお客様を大切に扱い、感動を与える工夫を繰り返すことが大事。お客様がお客様を連れてくる。いい評判を拡げてくれる。これが強いブランドロイヤリティになる。

10 儲かっている会社の共通点。社内で交わされる挨拶が気持ち良い。社内に笑顔がある。社内の会話にノリがある。社内が整理整頓されている。

11 人に良さを伝えるコツは・・・                                                                                   例え話を入れる。                                                                                                          擬音を入れて印象を強くする。                                                                                        絵、写真など形にして見る。                                                                                          ・ネーミングを工夫する。(イメージが固る)                                                                       ・ストーリーを作り、語る。(脚色も入れる)                                                                          好奇心を刺激する工夫をする。

物を売る基本は、売る側が売る意志を強く持つことと説明されて、そりゃ当たり前でしょうと思いましたが、良く考え直してみると、そこの辺の、詰めの甘さはあると思います。いかにも「売らんかな」の勢いを見せるとお客様は引いてゆくという心配をしますが、本当に買い求める気のあるお客様は、熱心に売る側の話を聞こうとします。引いてゆくのは買う気のない客だったのです。 店舗や展示会のディスプレーでも、表現の場であるのに、メッセージを使わず、居心地の良さを演出しているケースが多くなっています。お客様はそこに住もうとしている訳ではなく、短時間に新しい情報を得ようとしています。適切なメッセージが必要です。

売りの勢いを感じさせないと、お客様は見過ごします。店は見せることが目的です。

物のよさ、売る側の取り組みの良さをいかに見せるか真剣に詰めなくてはなりません。

お店も、ネットも営業活動もすべてに共通して云えることです。参考にして下さい。

平成25年9月13日                      日本オーガニックコットン流通機構

宮嵜道男

 

 

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