”インバウンド”と云う言葉

最近「インバウンド」という言葉を目にするようになりました。英語のスペルはinbound。

バウンドと聞くと「はじくこと」を考えますが、「境界」という意味もあります。インバウンドは「境界から内側へ」となり、つまり海外からの観光客という意味で使われています。

東京に住んでいて、このところ本当に外国人が多くなったなあと感じています。話し声を聞いて、はじめて、アジアからの人と気付くことも多くなっています。2013年、今年のインバウンドは、1千万人を超えるかもしれないそうです。

2010年は861万人で、東日本大震災があって原発事故が怖れられた2011年は679万人と減ってしまいました。そして、その後、盛り返して今年は、何とか1千万人の大台です。

世界の国別観光客受け入れ数1000万人と云うと、韓国、クロアチア、シンガポール、オランダなどの各国のレベルです。

観光客数トップ10(2011年)

フランス 7950万人 イギリス 3080万人
アメリカ 6233 トルコ 2934
中国 5758 ドイツ 2835
スペイン 5669 マレーシア 2471
イタリア 4612 10 メキシコ 2340

*日本は世界39位で、アイルランド、ブルガリア、インドに次ぐランクでした。

日本政府は2020年東京オリンピックを経て2030年、今から17年後までに3000万人の観光客を目指すとしています。3000万人と云うと上の表から見て、現在のイギリス辺りの規模です。このくらいの観光客数となると経済効果は10兆円規模になるということです。(日本のアパレル産業の市場規模が10兆円)

但し、上記の表の数字を見て、日本は世界から見ると人気がないのかとみるのは単純で、日本列島は、欧米から見て極東にあり、旅の日程も長くなり交通費、滞在費も高額になるという不利な面があります。フランスは確かに人気がありますが、地続きのお隣の国に旅行しても人数としてカウントされますので統計上は有利と云うことになります。単純にこの数字で国の観光力を比較できるものではありません。

UNWTO(世界観光機関)の統計で、2012年、世界の観光客数は10億人を突破したと報告しています。前年比4%の伸びで、2013年分を集計したらきっと3~4%更に増えているだろうと強気の予測をしています。

世界情勢は、内戦やテロ、宗教や民族間の軋轢など決して平安とも云えませんが、1995年頃、5億3000万人だったのが、一貫した右肩上がりで伸びてきてとうとう10億人というところまで来ています。観光客の増加は、平和の反映ですから、マクロでみれば、確実に世界が平和に向かっているということができます。

世界の統計では、観光先は51%が欧州、アメリカが15%、アジア太平洋地域が22.6%、アフリカ5.1%中東5%という構成です。アジア太平洋地域の伸びが顕著になって来ています。この意味で、アジアは、もっともっと平和にならなくてはなりません。

海外から日本へのお客様のトップの国は韓国で、ヘイトスピーチをしている場合ではありません。一生懸命、日本的な「お・も・て・な・し」をして、世界の人気者の国になりましょう。

平成25年12月19日                       NOC 宮嵜道男

 

 

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