GMOフリーゾーン

第9回GMOフリーゾーン全国交流集会in栃木                           ~育てよう!未来につなぐ希望の種~に参加して

有限会社カワグチ企画

専務取締役 川口 圭

2014年3月15~16日、栃木県那須塩原市にて遺伝子組み換え(以下GM)作物に反対する約400名が全国より集まりました。生活クラブ生協・グリーンコープ・コープ自然派などの生協が中心となり毎年開催されています。参加者は生協の組合員で、そのほとんどが一般の主婦の皆さんでした。(生産者も多く参加していました)

GM作物は未だ安全性が確認できていないものであり、元々は自然界に存在していないものなので、生態系に与える影響も分かっていませんが、近年様々な影響が報告されています。基調講演では、「TPP交渉の現状と今後の見通し―私たちの暮らし、食と農の未来は?」ということで、鈴木宣弘さん(東京大学大学院教授)のお話でした。

TPPの名のもとに行なわれている食の安全の崩壊は、例えば遺伝子組み換え表記の撤廃、BSE輸入規制緩和、農産物に使用される農薬の緩和など、これまで受け入れてきた世界の国々の辿ってきた道は、結果的に米国の都合の良い様に支配され、その米国は大企業の上に成り立っている国なので企業の利益が優先されているとのことでした。

フランスのカーン大学におけるラットの実験では、頻繁にガンが発見されたにも関わらず、発表された実験報告の本の編集には種子のメーカーの関係者たちが関与し、問題部分が削られたとの報告もありました。

2日目は、畜産の飼料について報告がありました。日本の畜産の飼料のほとんどは輸入に頼っており、遺伝子組み換えでない飼料を選ぶことが非常に困難になっているそうです。

そこで国内の飼料はどうかとなりますが、例えば、飼料用のコシヒカリ米の生産は、一般の食用の米作りと手間は同じですが、飼料相場からすると価格は食用米の7分の一の価格に抑えられてしまいます。(一般食用6~7,000円/30kgに対し、飼料用は900円/30kg)このように米の生産者も家畜生産者も共に納得できない現状にぶつかっています。       (このため飼料用を「一般食用」と偽装した事件も起きた)

私も、オーガニックコットンを扱う者として、GM問題は避けて通れない重要な問題と考えています。日本オーガニックコットン流通機構(以下NOC.弊社、カワグチ企画は正会員)の宮崎理事長のお手伝いを頂き、当日用の資料を作成し配布しました。                                コットン生産におけるGMの困った現状を列挙します。

① Btコットンは、土壌菌の殺虫成分が生成されるよう仕組まれた種子で、その毒素により害虫の腸が壊れ死滅する。

② 駆除対象の害虫が減ると他の害虫が増えるという結果も現れて、結果的に殺虫剤の

使用を増やす結果になった。

③ 期待した収量は上がらず、高額のGMの種の支出が増え(一般の4倍の価格)

相対的に収入は減り、借金が嵩み、インドでは30分に1人の割合で自殺者が出ている。

④ 栽培従事者にはアレルギー症状が表れて、家畜の飼育にも悪い影響が出ている。

⑤ 綿は「綿実油・甘味料・飼料・肥料」など食べ物にもなるので悪影響が心配される。

 

私たちは、オーガニックコットンの専門ブースを設け、オーガニックコットンを推進する生活クラブ組合員さんたちが、積極的に説明や販売、展示を行なってアピールしていただけました。

また、一般的に子育てにおける「食育」があります。この度、造語ですが『植育』活動を提案しました。綿を実際に育てることによって、綿に親しんで頂き、以上のような綿の問題を知り、一緒に解決していけたらという思いで、皆さんに「綿の種」を配布しました。

遺伝組み換えではない綿の種をお持ち帰り頂きました。

可愛いコットン坊やたちが、全国に旅立って行きました。

この活動をより多くの方に広めていきたいと考え、 フェイスブックで「わこっと」

というグループを作り、種の配布(無料)や情報交換などを行っています。

どなたでも参加、入会ができます。

5月くらいが、種の撒き時なので、皆さんに大いに広めていきたいと思います。

詳細は下記URLまで。(登録にはフェイスブックアカウントが必要となります)

https://www.facebook.com/groups/645649075463790/

GMOフリーゾーン運動のはじまり>

遺伝子組み換えいらない!キャンペーンHPより

GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物を拒否する地域)運動は、1999年に

スローフード発祥の地として有名なイタリア・トスカーナ地方のワイン農家によって

始められました。その後、2002年に環境団体「地球の友」がイギリスでキャンペーンを立ち上げたのをきっかけにヨーロッパだけでなく、北米やアジア、オセアニア地域に拡大し、世界中にGMOフリーゾーンが拡大しています。ヨーロッパでは、イタリアで全土の約8割、フランスで1,000を超える自治体、オーストリアやポーランドでは全国、ギリシャでは地方政府すべてがGMOフリーゾーン宣言行っています。

<日本のGMOフリーゾーン運動>

日本でGMOフリーゾーン運動が本格的にスタートしたのは2005年です。農薬空中散布に反対し、環境に配慮したコメ作りを行っていた滋賀県高島市の農家が同年1月、圃場に畳3畳大の看板を立て、GMOフリーゾーン宣言したのが始まりです。

翌2006年3月に第1回GMOフリーゾーン全国交流集会を高島市で開催した後、ほぼ1年に1度のペースで全国集会を開き、運動の拡大をはかっています。

生活クラブ生活協同組合HP記事     http://seikatsuclub.coop/activity/20140325.html

グリーンコープ生活協同組合 HP記事http://www.greencoop.or.jp/news/gnn/201403/20140326-1/

GMOフリーゾーン運動のすすめ>

 遺伝子組み換え作物を栽培したり、取り扱ったり、食べたりするのが嫌な人は、

誰でも宣言できます。

GMOフリーゾーン運動は、農家に限定せず、消費者も食品関連企業や流通業界の人も

参加できる取り組みです。

GM作物を作らない農家

GM食品を作らない食品業者

GM食品を売らない流通業者

GM食品を買わない消費者

農家以外の方はGMOを拒否し、GMOフリーゾーンを守るサポーターとしての

役割があります。

※賛同された方は会員になることが出来ます。(個人・団体ともに1口5,000円)

http://gmo-iranai..org

 NOCからのコメント:オーガニックコットンの業界でもGMOの種が蔓延して、GMOではない種の確保が出来ずに生産量が激減している事実があります。

GMO農産物をストップさせる運動に注目してゆきましょう。

平成26年4月8日                          NOC  宮嵜道男

 

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