<コットンの品質は繊維の構造と太さで決まる>

コットンの品質は繊維の構造とその細さで決まる。つまり繊度、マイクロネアである。繊度は簡単に言えば繊維の太さであるが、これを測ろうとしても難しい。あまりに細いし一本一本は太さにバラつきがある。

そこで考えられたのが繊維を直線状に並べ、一定の太さのパイプの中に詰め込み、一定量の空気を流し、空気抵抗の数値を出す。太い繊維だと密度が薄くなるので空気の通りはよくなる。すなわち空気抵抗は少ない。これに対して細い繊維の束だとみっちり入るので空気の通りは悪い。空気抵抗は高いということになる。

例えばマイクロネア繊度3.5という繊維は一本の長さ1インチの重さが3.5マイクログラムと呼ぶ事になっている。正常な繊度は3.5~4.9でこれから外れると値引の対象になる。プレミアムがつくものは3.7~4.2。超長綿で3.5~3.7級だと光沢もあり強度も良いので珍重される。

マイクロネアは、糸としての粘り強さ、引っ張り強度の性能に関係がある。マイクロネアは、種の遺伝的特性よりも栽培の環境条件に影響される。但し種の選別で多方面からのものを使うという行為に意味がないということではない。多少差は出る。

マイクロネアの数値は、売買において大変重要で、例えばマイクロネアの値が5とするとポンド当たり3.5セント値切られる。ベール当たりにすると17.5ドルにもなる。そこで色んな素性の種を使い栽培し、品種的特性が片寄らず平均的に2%マイクロネアの値が良かったとすると、マイクロネア値は4.9となり値引きされずに済む。

このようにマイクロネア値は、栽培農家にとって、収入に係わる大問題である。そこで種の選定には神経質になるのも頷ける。また、刈り取りのタイミングでも異なる。早い時期のものはマイクロネア値は良いが、後の方になるとかなり落ち込む。刈り取シーズンの中間頃が最も安定してマイクロネア値も最良になる。その期間の最後の方の落ち込みも少ない。最後の刈り取りでは、やはりマイクロネア値は低くなる。 同じ品種の種でもマイクロネアに違いが出るのは前述のように、栽培期間の温度、湿度、日照、風の状況など環境条件による。

・・・このように、綿花は、品質が農家の収入に直接影響することから、色々な工夫がされています。時には品質を上げる農薬があれば利用するでしょう。整地し、春に種を撒き5ヶ月かけて収穫する。大きな投資と労力をかけて、天候を気にしながらリスクを掛けた大変な仕事です。農薬でも何でも使って経営を維持したいという気持ちはよく分かります。

その一方で環境を傷めたくないと、更に更に大きなリスクへの覚悟を持ってオーガニック綿花を育てている農家の人たちのご苦労を考えると、尊敬の念でいっぱいになります。オーガニックコットンの品質はこの15年の間に格段に向上してきました。
みんなで拍手を送りましょう!

出典:ハル・ルイス博士のレポートより
(Dr.Hal Lewis)ルイス博士はアメリカのアーカンソーデルタにおいて30年以上にも亘る綿花栽培実験を続け、最も信頼の高い研究者として認められています。
※一部、日比暉著「なぜ木綿」より転載

日本オーガニックコットン流通機構 理事長 宮嵜 道男