2011年のテーマはカラーコットン

カラーコットンとは、一般的な白いコットンに対して、生まれつき色のあるコットンで、茶色と緑色のコットンが栽培されています。残念なことに、需要は世界的に縮小傾向にあります。染色などの化学的な処理をせずに色や柄が楽しめるというこんなに素晴らしい素材が拡がらないのは、どうしてなのでしょうか。

色調にブレがある、色が変化するなど、薬品で染めたものの基準で考えれば、劣るという事になるのでしょう。そこでカラーコットンとは、染めた物とは、全く異なる性質、価値観を持っているという考え方にたって見直す必要があります。
NOCのホームページや本でも既に取り上げていますのでそちらもご覧下さい。

 

  • 「カラーコットン・グリーン奇跡の色」 コチラのサイト
  • 「有色綿カラーコットンが消えてゆく」 コチラのサイト
  • コモンズ出版の「オーガニックコットン物語」59ページから62ページに記述があります。
    ※NOCメンバーのパノコトレーディングが、ペルーのカラーコットンの輸入を始めた経緯や社会的貢献については、同書74ページから77ページに詳しく書かれています。
  • パノコトレーディングのホームページでは、NOCメンバー壷内タオルの壷内氏が、豊富な写真を交えて、ペルー産地の訪問の様子を載せています。 コチラのサイト

 パノコトレーディングの最近のカラーコットンの取り組み

パノコトレーディングは1996年にペルーのオーガニックコットン白と茶色の糸の輸入を開始しました。当時はまだアメリカでの原綿の生産が主流でしたが、調べていくうちに中南米が原産地であることが分かり、それ以来茶色の綿はペルーより輸入をしています。

この間、日本では「オーガニックコットンといえば白、茶、緑」という様に定着しましたが、欧米では化学染料で染めることが一般的となり、世界のカラーコットンの需要は弱まり、徐々に生産量は減少していきました。

パノコトレーディングは、この素晴らしい素材を何とか維持したいと考え、2007年より農家を支援するため、契約栽培のプロジェクトに参加することにしました。
プロジェクトのパートナー企業は、バーグマン・リベラ社・Bergman Rivera SAC(スウエーデン)です。
この会社は、既に1985年からペルーのカナーテの地域の農家の人々の協力を得て、オーガニックコットンの生産を始めた世界的にも先駆的な企業です。
通称「ワイルドコットン/wild Cotton」と呼ばれる茶色のコットンはシャナオ村の斜面の地帯で栽培されています。

<サチャグリーン・プロジェクト・SACHAGREEN PROJECT>
・名称のサチャ・SACHAは現地ケチャ語で「森」という意味です。
・場所はラマス県シャナオ村: リマからタラポトまで飛行機で約1時間、更に車で約90分。
・プロジェクト参加人数は1,800人。農家は一軒あたり5~6人で8ヘクタールを所有している。
・気候は、亜熱帯で年間を通じて約26度、年間降雨量は700~900mmです。(参照:世界の平均降雨量970mm日本の平均降雨量1730mm)
・栽培している主な作物は、コットン(アスペロ種)、コーヒー、カカオ、バナナ、パパイヤ、サチャインチ(ナッツの種類)

<プロジェクトの農家への支援事業>
1.有機農業のトレーニングセンターの建設
2.インターネットキャビンの設置

現地のリーダーや農家の人達から「世界の情報にアクセスできる環境が欲しい」という希望が語られました。

そこで子供たちも含めてプロジェクトのみんなが学び、世界への視野を広げ、村の発展や働く事への意欲の高まりを期待して計画が進められました。
※機材はもちろん、家具類、講師への支払い、メンテナンス費用なども含まれています。このインターネットキャビンの運営はすべてパノコトレーディングがサポートしています。

日本オーガニックコットン流通機構 理事長 宮嵜 道男

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