Benchmarkとは、基準点という意味ですが、                                                                          一般のコットンを左端に置いて、OCベンチマーク
間に「BCIベターコットン・イニシアティブ」、「プレオーガニックコットン」、
「5%,10%低混率オーガニックコットン」、「コットン・メイドイン・アフリカ」、
「フェアトレードコットン」と並べ、その右の端に、最も厳しいエシカル基準の
オーガニックコットンが位置する図式が描けます。

1月23日に開催された リスポンシブル・コットンのセミナー以来、フェアトレードコットンは公正な労働環境を守るだけでなく、エコロジーに関しても規定があると聞いて、オーガニックコットンとどう違うのかという疑問を掘り下げてみましょう。

Q&A方式で整理してみました。

Q:フェアトレードコットンが規定している公正取引、労働環境とはどういうものか?
A:目的は、公正な取引によって貧困をなくし、その上で環境的持続可能性を達成してゆく
こととしている。
適切な労働環境ということで、
・労働者の人種、肌の色、性別、身体的障害、婚姻の有無、年齢、宗教、政治的意見などに
よって労働条件や報酬に差別があってはならない。
・15歳以下の児童の労働、強制労働(債務労働)があってはならない。
・労働者が組合を作り、交渉する権利を保障する。
・この他、医薬品の常備、清潔な飲料水、仕事場の近くに手洗い設備の付いたトイレの設    置。   農薬を使う労働者のためにシャワー設備を備える。
トイレ、シャワーなどの施設は男女別にする、などが規定されている。

Q:農薬の使用について、すべてが禁止されているのか?又は何が制限されているか?
A: 環境的持続可能性の観点から、農薬の制限を規定している。オーガニックコットンのように
全面的に禁止している訳ではない。
制限しているのは、レッドリストにある化学農薬で、栽培、収穫、加工、貯蔵、輸送など
労働者が係るプロセスで使用されることの制限規定である。
規定は2種類あり、レッドリストが禁止である赤信号であるのに対して、黄色信号に相当  するアンバーリストの規定もある。(危険かどうか不明で、その都度評価する)
レッドリストは、 ・残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約のPOP
・有害化学物質・農薬の越境移動に関する事前同意条約ロッテルダム条約PIC
・農薬アクションネットワークの非常に危険な12の農薬PAN12
・WHO世界保健機関、急性毒性分類1a,1b
・EU健康に害を与え、環境に悪影響を及ぼす農薬リスト
・アメリカの環境保護庁が規定している農薬リスト
など5つの機関が禁止している農薬をリストし,レッドリストとしている。

農薬を使用する場合、労働者の健康が守られるように労働者への指導、防護のための服や手袋などの常備の規定や子供が触れないように保管するなどの規定がある。
*農薬を使うことが前提の規定が多くある。

Q:オーガニックコットンの場合の様な認証までの3年ペンディング期間など
というものがあるか?
A:特になし。

Q:土壌管理として、堆肥の問題、灌漑などの規定はあるか?
A:特になし。

Q:遺伝子組み換えの農作物の審査をしているか?
A:遺伝子組み換え農作物は禁止としているが、遺伝子組み換え農作物の検査は特にしてい   ない。
農業者が自ら注意して排除するよう指導している。

以上のように、フェアトレードコットンの目的から、「公正な労働環境を守ること」の方に重点 が置かれています。

一方、オーガニックコットンは、明確に農薬、化学肥料、遺伝子組み換えの種を禁止し、労働する人々の権利を守り、収入、安全を規定し、持続可能な農業を維持するよう規定されています。

NOCグループの主要な原料供給先のbioReプロジェクトは、国際フェアトレードの認証機関FLO-CERTの監査の下で農業者の適切な労働環境と公正な取引関係が維持されています。

また紡績以降の生産ラインではBSCI(Business Social Compliance According)と
SA8000(Social Accountability)によって工場労働者の適正な労働が認証されています。

以上、改めてNOCオーガニックコットン原料の生産現場の認証についてお知らせしました。

NOCラベルは、書類のやり取りだけで認定する方式とは違い、常に現場事情と深く繋がって
間違いのないオーガニックコットン製品を認定している仕組みであることをご理解下さい。

平成27年3月3日
日本オーガニックコットン流通機構
宮嵜道男