TIME誌の6月10日(2010年)の記事に注目したい。

記事タイトル:厄介者との闘い(マラリアとの闘い)
筆者:Alex Perry氏

ウガンダのオーガニックコットンの農家の人々は、殺虫剤が、2008年時点でマラリアの感染を半分に抑えているというのに、何故か、オーガニックの規程どおり住宅に殺虫剤を撒く事をしない。

ウガンダでとれるオーガニックコットンは、NIKE やH&MやウォールマートのBABY GEORGE のラインに原料供給されている。無農薬農業は、このように先進国では高い評価があるものの、実際BABY OMARAは死んで行く一方BABY GEORGEはオーガニックコットンを着ているということになっている。
(オーガニックの規程を守るためにマラリア対策のDDTを撒かない。西欧諸国の子供達がオーガニックコットンの服を着るために、マラリアに感染して死んでゆくのはアフリカの子供だ。これはどうなんだろう。という内容)

残念なことに、TIME誌の記者の見解は、オーガニックコットンにとって不適切なもので、批判的で、害さえあるものである。

ウガンダの農民達は、自ら生きるため、自分の子供に着せるためにオーガニックコットンの栽培に取り組んでいるのであって、裕福な西欧諸国のベビー服のためではない。

この考え方は他の途上国のオーガニックコットン農家も同じ考え方である。
(オーガニックコットン農家の人々とは、農民22万と、その関連の人々85万人のことである)

農民同士には、つながりがあり、家の周囲に使う害虫対策はDDTに代わる方法について情報交換している。またこのように情報を分かち合うことは、別の意味で生活向上に役立っている。

多くのアフリカ農民と関連の人々(世界の途上国の10%に当たる)は、オーガニックコットンの可能性に期待を寄せている。綿花栽培における土壌の改善、水の管理、害虫対策は、元々従来から行ってきた方法であり、受け入れ易いものである。

ウガンダのオーガニックコットン栽培の成功が、貧困から脱するよい手本になった。

オーガニック農業の重要なところは、農民に農業技術向上のための訓練をしっかり行うことである。またその土地に根付いた伝統的な農法も尊重し、輪作などの土壌改善を行い、応用力まで養うため、結果として失敗の少ない安定した収穫が出来るようになる。

食料の自給率も上がり地産地消し、酷い貧困から脱することができる。
ウガンダの農家の多くはオーガニックコットン栽培に転換している。

それは複合的な利益があるからで、オーガニックブームに乗って、売り先はアフリカ本土のみならず海外への輸出まで、市場が広がり期待できる。

マラリアなどの感染により国は大打撃を受けるが、今やオーガニック農業の技術はマラリアに対応できる能力がある。

OE:Organic Exchangeは国連機関のWHOビルゲイツ基金(Bill and Melinda Gates Foundation)他の基金や組織の協力を得てマラリアと戦うことを期待している。

さらに途上国の農家がオーガニック農業に転換し、協力して病気を絶滅し、強い農業コミュニティを作り、オーガニック農産物を発展させてゆこうと考えている。

 

このたびのTIME誌の挑発的な記事に対して、アメリカのツイッターで賛否両論がやり取りされています。
マラリアは蚊が媒介する感染症で、世界の40%の人々に感染のリスクがあります。年間5億人が感染し100万人が死んでいます。そのうち大半は5歳未満の幼児です。

蚊の発生を防ぐために殺虫剤DDTは、当初劇的な効果を示したものの、1990年頃から、DDT耐性の蚊が出現して、DDTを更に大量に使うようになり、発がん性や内分泌攪乱性など人体への重大な悪影響が問題になり中止されました。
UMPP(ウガンダ・マラリア・パートナーシップ)運動により蚊帳の普及とワクチンや治療薬の開発が進められています。
ワクチン開発は、対象が最貧国で、製薬市場として成り立たないため開発が進んで来ませんでした。
今年、大阪大学微生物病研究所堀井俊宏教授のグループが世界に先駆けて予防効果の高いマラリアワクチンを完成しています。
実用化が近いと期待されています。

抄訳 NOC理事長 宮嵜道男