いい質問ですねえ!

オーガニックコットンのセミナーの後、質疑応答で出た質問は、どれも「いい質問」でした。

一般のコットン製品の農薬の害はあるのか?
一般のコットンには確かに農薬が残留しているが、
特別に人体に影響があるとは言えない。糸、生地、製品に仕上げられる過程でいくつもの洗浄工程を経るので製品に農薬が残留していて害があるということはないに等しい。
但し、コットン製品となると、加工の工程で使われる化学薬剤によっては、問題を起こすものもある。よく知られているものでは、ホルマリンとか、最近ではアゾ染料の一部の染料に問題がある。

オーガニックコットンにも様々な品種があるの?
コットンはアオイ科の植物で1500種以上ある中の一つでゴシピウム属。糸を作るのに向き、主にヒルスツム、アレボリウム、バルバデンセの3つの種類が商業的に栽培されている。
ヘルバケウムという品種もあったが、現在では商業的に生産はされていない。幻の綿と呼ばれる。
オーガニックコットンでは、糸に向くヒルスツム種が90%以上である。

生産される地域()によって品質の違いはあるの?
品質の違いは、品種の違いが一番大きい。その他、土壌の栄養成分、適度な給水、日照時間の長さが品質や収量に影響する。

毎年、収穫したコットンに品質の差が出るのはどのような影響からか?
植物だから、光と水と土壌の条件によって品質が変わる。ワインでもコメでも土地柄が違えば品質が異なる。

オーガニックコットンとそれ以外のコットンの見分け方は?
綿と綿、同種の繊維は一旦混ぜたら迷宮入り。見分けは不可能なので、認証機関、認定機関が間に入って第三者として証明しないと本物かどうか見分けられない。認証の表示なしでオーガニックコットン製品と謳うのは、消費者に対して不誠実である。

オーガニックコットンには弱点やデメリットはあるの?
植物としてのオーガニックコットンは弱点もデメリットもなく、一般綿と同じ。
ビジネスとしては、扱い量が少ないため、コスト高になる、手間ひまがかかるからコスト高になる、認証費用が掛かるからコスト高になる、フェアトレードの精神で取引するからコスト高になるという商業的にはデメリットとなるが、サスティナビリティという未来に向けて重要なテーマで見るとメリットとなる。

オーガニックコットンタオルでも安く売られているものがあるけれど、どの点が違うの?
中国など人件費が低い海外の低コスト大量生産で作られたものと、日本国内で少量を手間かけて作るものとはコストが違う。タオルは織の工程と同じくらい洗いの仕上げ工程にコストがかかる。ここで使われる洗浄剤の質の違いや工程の違いがコストの違いになる。スーパーマーケットで中国産の野菜と比べて日本産の野菜が倍以上高いというようなことがあるのと同じで、高くても買う人はいる。

日本産のオーガニックコットンを生産することはできないか?
日本のような豊かな土壌でコットンを生産するのはもったいないし、コストが合わない。
コットンは、何も育たないような乾燥したやせた土地でも育つので、途上国に任せて貧困農村の経済を助ける方が、意義がある。そもそも日本はコットンを育てるには雨が多すぎる。日照時間が少ないので適地とは言えない。
日本各地でコットンを栽培しているが、作業はボランティアに任せていて「復古運動」としてやっている程度で、とても産業としては量もコストも合わない。

オーガニックコットンの認証はどのように行われているのか?
原綿がオーガニックかどうかを証明する場合と製品の認証をする場合とある。
原綿は、EU、NOPの基準があり、認証機関のバイオインスペクタ、コントロールユニオン、エコサートなどが基準通りかどうか審査する。製品の認証は、GOTS、TEの基準で認証機関が審査する。
日本には、製品のオーガニック認定をしているNPO組織のNOC「日本オーガニックコットン流通機構」がある。独自規準に則って原綿から最終製品までのオーガニックとしての信ぴょう性を審査している。

文責:日本オーガニックコットン流通機構
顧問 宮嵜道男 11.27.2019