ポリエチレンの
エコバッグって
本当にエコ?

スーパーマーケットのレジ袋が、7月から有料になりました。
環境省は「温暖化対策のため」と云い、経産省は「ライフスタイルを見直すきっかけとして欲しい」と云い法律を改正しました。
容器包装リサイクル法の第二条の文言にプラスチック製の買い物袋は有償で提供することとあります。
法律ですから、好むと好まざるに係らず守らなければなりません。

スーパーマーケットの店員さんが通りがかりの人たち、だれ彼構わずにレジ袋を配っていた訳ではなく、自店舗で買い物したお客さんの便利のために渡していたので、レジ袋は営業経費として当然、原価に上乗せして販売価格に収まっていた訳で、レジ袋は無償ではなく元々有償だったのですから、おかしな話しと言えなくもありません。

京都大学の酒井伸一教授の試算によると、日本人一人が年間に使用するレジ袋の枚数を
150枚として一枚の袋が10g、人口1億人で掛けてザッと15万トンの消費としました。
プラスチックゴミの総量は900万トンなので、レジ袋の占める割合は高々1.6%程度ということになります。

プラスチックは言うまでもなく、石油製品です。
石油は、熱源や動力など所謂燃料エネルギーとして使われていますが、原油の精製後、残りカス(ナフサ)が3%出てきます。このナフサがプラスチック原料になります。石油をエネルギー源として使う文明を選択した以上、プラスチックからは卒業できず不可分な存在です。
今から60年ほど前まで、プラスチック製の物はありませんでした。
袋は紙製または布製で、ほとんどコットン製でした。容器は木製、革製または金属製でした。
皇居近くの九段坂に面して昭和館がありますが、プラスチックのない時代の味わい深い生活用品が所狭しと並んで、誰でも見ることが出来ます。
ただ、紙製や木製はもちろんの事、金属製にしても加工工程で火力を使い、その燃料はみんな木材でした。
森林資源に全て頼ってきたことを考えると、もしプラスチックがなかったら森林はどうなっていたのか、背筋が寒くなります。高度成長時代に浮かれていた当時の人たちが森林資源とちゃんとバランスを取ることが出来たかどうか、甚だ疑問符が付きます。ある意味ではプラスチックが森を守ったと言えなくもありません。

それでは、プラスチックゴミが日本でどのように処分されているか見てゆきましょう。
プラスチック循環利用協会が、2019年にプラスチックゴミのリサイクル率について報告しています。2017年のプラスチックゴミの総量は903万トンで、775万トンがリサイクルされ、率にすると86%ということになります。世界のプラスチックゴミのリサイクル率は9%とされていますので、日本は、圧倒的な優等生ということになります。
リサイクルの方法には物理的なマテリアルリサイクルと化学的ケミカルリサイクルそして熱源サーマルリサイクルがあります。
日本のプラスチックゴミは70%が焼却され、そのうちの90%はサーマルリサイクルとして熱源、発電に利用されています。
バック・トゥ・ザ・フューチャーという大当たりしたアメリカ映画がありましたが、その中で未来には、自動車の燃料タンクに家庭ゴミを放り込んで走る場面がありました。ゴミがエネルギーになる時代が来ているのかとも云えます。

物理的に再利用や溶かして精製分離してオイルとして使うリサイクルもありますが、実はその加工工程で掛かるコストは小さくなく、プラスマイナスゼロ以上に無駄な結果となることが多いという問題を孕んでいます。なんでもリサイクルが正しいとする硬直した考え方には注意する必要があります。

さて、新型コロナウイルス問題の最中、見渡してみるとマスクも医療防護服も、フェースシールドもあちこちに張り巡らされたシートやアクリル板もみんなプラスチック製品で、当分プラスチックの便利さから離脱できない現実があります。

レジ袋に変えてマイエコバッグをという風潮になっていますが、ポリエチレンのマイエコバッグとレジ袋の二酸化炭素排出量の比較をしてみると、厚みが違い、原料ポリエステルの使用量の差が大きく、製造過程の複雑さの違いで、エコバッグの二酸化炭素排出量はレジ袋のなんと50倍になるという報告があります。
ということは50回マイエコバッグを使い続けて、はじめて同等になるということです。
ゴミとしての容量から見ても、プラスチック製のバッグはエコとは呼べないということになります。

そこでプラスチック製のバッグの代わりにコットン製に代えたら、本当の意味でエコバッグと呼べます。汚れたら、ザブザブと洗って繰り返し使いましょう。

オーガニックコットン製のエコバッグにすれば、温暖化対策、環境保全、フェアトレード等々どの面から見ても完璧なエコの要素を兼ね備えることが出来ます。
オーガニックコットン製のエコバッグを肩にかけて颯爽とスーパーに出掛けましょう。
文責:日本オーガニックコットン流通機構
宮嵜道男 7.3.2020