さざれ石が巌となる

 

昨日(10月22日)の天皇即位礼では、テレビに噛り付きでした。
雨の中しめやかに式展が進み、高御座の幕が開き、天皇が姿を見せると雨はたちどころに止み、薄日が差しました。東京の上空には虹まで現れ、正にエンペラー・ウエザーだと畏怖さえ覚える様相でした。                                                     

1988年4月29日、昭和天皇の最後の誕生日の一般参賀に家族で出かけた時のことです。
当日は快晴の特異日の筈が、朝から横殴りの雨模様で、どうしたのか?
昭和天皇の霊力もこれまでかと訝りました。長い行列の中、子供たちも傘の中で小さく耐えていました。
いよいよ長和殿に昭和天皇が姿を現すとなんという事でしょうか?雨はピタッと止み雲の間に間から光の帯が幾筋も降りてきたのです。

万歳!万歳!の声は歓喜に満ちて、小さい息子は「うるさーい!」と言って耳を塞ぐほどでした。
祝賀の感動を持ったまま皇居を後にして、地下鉄で銀座に出て、子供たちがよく我慢したご褒美にとレストランに向かいました。
地上に出ると、なんと雨が降っていました。あの時間だけ晴れ間がやって来ていたのです。

今回の即位礼では、20号、21号の二つの台風が、日本列島に見舞う中での開催という事からしても、この不思議さ、敬畏する心が湧きました。

中国に「掃晴娘」という、少女が長雨災害から自分の命を天に捧げて止めたという古い話があります。日本にも、祈祷で長雨を止めると宣言した僧侶の念が叶わず、首を切られました。頭を布に包んで吊るしたところ、雨が止んだという伝説から「てるてる坊主」の習慣が生まれました。

雨乞いと同じように災害になるような長雨を止めるというのは天の神に祈るしか方法がありません。
新海監督のアニメ映画「天気の子」では、天気にするためには自らの命を削るという「掃晴娘」と「てるてる坊主」の物語と通底しています。

自然現象を変えるには凄いエネルギーが必要で、そこには自らの命の犠牲を払わなくてはならないものと信じられてきました。
翻って天皇はこの難行を穏やかな眼差しの中で当たり前のように熟してしまわれました。

このところラグビー・ワールドカップの日本代表の大活躍もあって、日本が「さざれ石が巌となる」が如く一つになることの尊さが気付かされます。
日本は、水害などの災害に立ち向かい一つになってゆく、子孫のために心を一つにして、平和ないい国にしてゆくぞという気運の盛り上がりに繋がってゆきます。
そして古式豊かな即位の礼があって世界中の元首が一堂に会して、世界の平和で一つになることの意義を新たにすることができました。

NOCメンバーも、「堅い巌」となってオーガニックコットンの普及に力を注ぐようにして欲しいと思います。

文責 日本オーガニックコットン流通機構
顧問 宮嵜道男       10.23.2019