海の水から発電できる時代

21世紀になって、エネルギー分野に君臨していた石油業界に陰りが見え始めると、雨後の竹の子のように新しいエネルギー方式の製品が現れて来ています。
人類の英知の限りない広がりを本当に頼もしく思います。
そして新しいエネルギー方式は、地球環境にダメージを与えない考え方が主流です。
太陽の光や熱、風の力、水素など無尽蔵なエネルギーが次々と実用化しています。

そしてまた海水・塩水で発電する方式が実用化してきました。
フィリピンでサステナブル・ライトと呼ばれる照明器具が電気のない地域で普及しています。
フィリピンは7、000もの島々を擁する国で島の生活では電気の供給はなく、石油やろうそくは、贅沢品で明かりのある夜は憧れだそうです。
フィリピンの会社が、ティースプン2杯とコップ一杯の水だけで8時間も点灯できる照明器具を開発して販売しています。
塩分濃度3.5%の海水を使ってみたら光量が増えました。
ということは海のそばの住民は、いくらでもある海水で明るい夜を過ごすことが出来る訳です。

更に、凄い技術がありました。
今年の3月のスイスのジュネーブの自動車ショーに「しおみず・塩水」で走る車が発表されました。supercars-quant_01
スイスのベンチャー企業の試作車です。
クワントeスポーツリムジンは、ちまちました小さい試作車ではありません。
全長5.25m、車幅2.2m、高さ1.35mという堂々たる4人乗り大型スポーツ車サイズです。
どのくらいの走行性能があるのだろうか?
驚くことに、最高速度380km/時、航続距離は600kmだそうで、動き始めて100km/時までの加速時間がなんと2.8秒というから信じられないスーパー・パワフル車です。
1976年にアメリカNASAが特許を取ったレドックス・フロー電池方式を使っています。

原理は中学生の頃、水の電気分解の実験で試験管の中に酸素と水素に分け、水素の試験管に
ライターの火を近づけたら「ピョーッ」と音がして燃えたあの水素です。
とうとうここまで来たのです。
塩水から得られた水素を燃料としたところが斬新で、自動車だけでなくありとあらゆる
電気エネルギーが水素に代わる可能性が見えてきました。

水素を作るのに大量に電気が要るから二酸化炭素が出る。石炭から水素を作っても大量の二酸化炭素が出るから、水素そのものは無害でエコでも二酸化炭素は出るしコスト高で採算が合わない。
水素は爆発性が高く、とてもじゃないが素人には扱いが難しく危険、等々と一般的に水素の使い勝手の悪さが喧伝されてきましたが、水素が爆発する条件は高くなく、自動車の衝突事故想定実験では、ガソリン車よりも燃焼がなかったという結果でした。
取り扱いは、タクシーの圧縮天然ガスと同等の安全性と云われています。

燃えカスは、純粋な水という水素エネルギーへの期待は大きい。

平成27年9月1日                  日本オーガニックコットン流通機構
宮嵜道男

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