最近の欧州オーガニック認証機関の事情

オーガニック欧州10月3日にお馴染みのオーガニック認証機関エコサートのニュースリリースが配信されました。タイトルは、「エコサートとIMOが協力関係を強化する」とあります。

記事の内容は、フランスのエコサートとスイスのIMOが、それぞれの認証業務の得手不得手を補完しながら、競合せず協調してゆく旨が綴られています。

JOCAの理事長、GOTSのテクニカル・アドバイザーの森和彦さんに、この度の提携の事情を伺いました。森さんも私見ながらと云われながらコメントをいただきました。

「欧州では、コントロールユニオン、エコサート、IMOの三つの機関が大手で、認証受託の競争が激しくなってきているようです。この度の提携話しも「競合を協調」によって生き残ろうとしている訳です。  オーガニックの農作物、加工食品、繊維、化粧品他すべての生産地が、ほとんどが途上国に移り、従来は欧州の本部が途上国の事務所を監督する形でしたが、業務の質も量も増大して、途上国の事務所が独立して活動するようになってゆきました。

コントロール・ユニオンは、インドとトルコの事務所を本部から独立させ、CU India, CU Turkeyとして運営しています」

この度のリリースでは、提携関係に入ったのは、エコサートとIMOスイス、IMOドイツといずれも欧州内であり、IMOのボリビア、ブラジル、中国、クロアチア、ドミニカ共和国、インド、メキシコ、トルコは、この度の提携関係には影響されていないとしています。

●エコサートは、1991年に設立され、80か国に23の支部を持っている。オーガニック・コスメティック、エコロジカル繊維、リサイクル繊維、エコプロヅクツ、フェアトレード、エコロジー公園や植林認証業務などを行っている。

●IMOは、20年に亘ってオーガニック認証を行い、世界20か所以上に拠点を持ち11の分野で400人のスタッフが働いている。今日、フェアトレードや社会的責任CSRの認証、天然繊維の認証、森林管理の認証、水産物、水産養殖などを行っている。90か国以上で、70のタイプの環境審査やフェアトレード審査を行っている。

オーガニック農産物や最終製品が世界に拡がり、認証機関も競争が激化して再編成を余儀なくされているというこのニュースはオーガニックビジネスが更に活発になっている現れと捉えられます。

オーガニック認証機関に関するニュースは大変珍しく、取り上げてみました。

平成25年10月10日            日本オーガニックコットン流通機構 宮嵜道男

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