「眠り」の謎解き
なぜ、ヒトは生涯の3分の1も眠らなければならないのか?
人類の眠りの疑問は、ずっと、わかりませんでした。
眠りは、カラダ・脳の休息、傷病の修復、記憶の再構成などなど、いろいろな説が唱えられてきました。
こま切れで1時間も眠れば十分とか、深く眠れば3時間がベストなどという説も出て、長さよりも眠りの質に重点が移り、深く効率よく短時間、眠ることが現代的な生活スタイルとして定着しました。
ところが深く眠れない人は、そのこと自体に強迫観念を持ち、眠らなければならないと、もんもんとして、ますます眠れないと悩んでいます。
本当の答えは、実は、質より量(長さ)がだいじでした。
昔から戦地などの医療施設で十分な治療が受けられなくても、傷病兵はひたすら寝ているだけで回復する例がよくありました。
経験的に安静が重要な治療手段となりました。
寝ているだけでなぜ直るのか?の答えに眠りの謎の答えがあったのです。
動物は命を維持するのに、呼吸し、食べ、眠ることは欠かせません。
ラットの実験で食べないと、眠らないは、どちらが早く死んでしまうのか比較結果は、眠らない方が先でした。
眠ることは、食べることより生死にかかわるほど、だいじでした。
地球の重力Gは、あまねく物体に作用しています。
重力は、地球との接地面積が広くなるほど重力Gの負担は軽くなります。
ヒトが立っている状態は寝ているのと比べると何倍も重力が架かっています。
5kgもの頭部を160cmのカラダが支えると言うのはそれだけで重労働です。
脊椎動物の血液は骨の骨髄で作られますが、立って活動しているときは、造血機能を止めて、ひたすらこの重労働に耐えます。
そして横になって気が緩むと、造血機能のスイッチが入り働き出します。
新鮮な血液は、新陳代謝、細胞の活性、免疫力の源で、健康、美容、長生きに影響します。
カラダを横にして一定時間、気を抜くことが眠りの目的だったのです。
不眠症の人は深く眠った自覚がなく悩んでいますが、とにかく横になって気を抜いていれば元気になれるということがはっきりしましたので、気を楽にしていればいいのです。
結果的に眠ってしまうことになるでしょう。
ちなみに睡眠時間が少ない人に多い病気は、循環器系の血液に関係しています。
白血球減少症、血小板減少症、再生不良性貧血、白血病などなどで、新鮮な血液が不足する病気です。
昔から使われている日本の古い言葉の含蓄の深さにはたびたび驚かされますが、「骨休め」は、正にこのことを表しているのです。
日本オーガニックコットン流通機構 理事長 宮嵜 道男
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