ありえない地球の現実
この写真はお馴染みの月の上から見た地球の姿です。
1969年アポロ計画の成果です。
アポロ計画は、当時アメリカとソ連(現在はロシア)の冷戦状態の中、有人の人工衛星で一歩遅れをとったアメリカが、ケネディー大統領の「人を月に送る」という一声で始まった威信をかけた事業でした。
10年の歳月、11兆円の経費、40万人の人々が係わった空前絶後のパフォーマンスだったのです。 このプロジェクトを進める過程で、コンピュータをはじめとする新しいテクノロジーが開発され、現代のハイテク生活に多大な貢献しています。また、このような巨大なプロジェクトを予定通り間違いなく完成させるためのプログラムPERTなども開発され成功しました。
これも現代のビジネスの世界にも利用されています。この他、軍事技術、映像技術、食品の保存技術などありとあらゆる分野に成果を残しました。
その中で最大の成果は、なんと言ってもこの写真ではないでしょうか。
この写真を見た世界の人々が一様に感じたのは、地球というのは暗黒の宇宙空間にポツリと浮かんでいる存在で、まるで運命を共にする「宇宙船地球号だ」ということを実感させることになりました。
この感覚はやがて、地球環境意識へと繋がってゆきました。
地球という星が、どれほど奇跡的で、人間の思考の限界を超えた、もっと言えば神がかりな存在だということに触れてゆきましょう。
地球上のすべての生命体を生かしている太陽との関係から始めましょう。
地球と太陽の距離は1億5000万km(キロメートル)です。
地球の直径は1万3000km。
とすると地球を一万個並べた先に太陽があるということになります。
もう距離の感覚で捉えられない数字です。
この1億5000万kmは、実は絶妙な距離ということになります。
少しでも近すぎれば灼熱の星になります。少しでも遠ければ氷の星です。
宇宙にはとんでもない温度の幅があります。
低い温度は絶対零度マイナス273℃、高い温度は限りなく、太陽表面温度6000℃、150億年前に起こったビッグバンのときは1000兆℃と計算されています。
この温度の範囲のわずかの隙間のようなマイナス50℃から50℃の上下100℃の範囲にほぼ保たれているので水が水として存在でき動植物は生きてゆけるわけです。
この範囲から少しでも外れると水は、暑すぎれば蒸発し、寒すぎれば固い氷になってしまいます。
地球の重力も不思議に生き物にとって最適な状態が保たれているのです。強すぎず弱すぎず丁度いい加減です。
これは、イギリスの有名な童話「三匹のくま」からゴルディーロックス現象とも呼ばれています。
森に迷い込んだ女の子のゴルディーロックスちゃんが、小さい家を見つけてスープを飲みました。
「暑すぎず、冷たすぎず丁度良かった」「イスもベッドも丁度良いサイズ」のものがあった、それらは、
3匹の熊の親子の家だったという話です。
地球の大きさも丁度いいのです。
重力が強すぎたら、すべてがペチャンコに押しつぶされて3次元が成り立たなくなるわけです。
不思議な事実はまだまだ続きます。
地球は太陽の周りを回る時、北極と南極を結んだ地軸が直角になっていません。
普通に考えると直角があたりまえですが、どう言うわけか「23.4度の角度」で傾いています。
この傾きがまたまた絶妙で、この傾きがあるため、地球上の温度分布が平均化しています。
もし直角だったら赤道付近はいつでも太陽の光に晒されて高温になり、北極南極の方はガッチリと凍りついてしまいます。また海流が動かないので気候が単純化して生き物が住める地域は、極めて限定されてしまいます。
「23.4度の傾き」のお陰で季節があり、海流が動き生命活動の出来る範囲が広くなったのです。
もう一つ生命体にとって地球を取り巻く幾層にもめぐらされた防護バリアがあります。
大気層は、宇宙から降り注ぐ隕石を大気の摩擦熱で燃やしてしまいます。
オゾン層は生き物に害の多い紫外線を吸収ろ過しています。
バンアレン帯は、有害な放射線、宇宙線を吸収ろ過しています。
こんな風にいくつもの奇跡の現象が、重なり合って地球が存在しているのです。
「神様がいる」として、宇宙を存在させているのは「私・神だよ」と人間に伝える方法として仕組んだ天体ショーがあります。
それこそが、「皆既日食」です。地球が平らだと思っていた頃の人類は、この皆既日食は神様の意思の表れだと大変に畏れたものでした。
これだけ科学が発達した時代に生きる現代人でも、畏敬の念が湧いてきます。
驚くべきことに、この皆既日食が起こるためには、当然のこと、太陽の大きさと月の大きさがほぼ同じに見えなくてはなりません。
月の直径は3,400km、太陽の直径は140万km、で約400倍。
太陽と地球の距離は1億5000万kmで、月と地球の距離は34万kmで、なんと400分の一です。だから地球上から見るとほぼ同じ大きさに見えるという訳です。
金環食、ダイヤモンドリングのロマンチックな天体ショウは単なる偶然とは考えにくいものです。
近代科学の巨人アインシュタインも数式を突き詰めていったら、あまりにうまく出来すぎていてとうとうこんな言葉になりました。「神はサイコロを振らない」。地球の存在というのは、何億分の一の確立でしか起こりえない奇跡の存在であるとのことです。
火星を緑化して生命が生きられる環境を造る計画があるようです。
そんなお金があるのなら地球の環境を維持することに資金と英知を使って欲しいものです。
かけがえの無い大切なこの地球のことを、感謝の気持ちを持って守ってゆかなくてはなりません。
平成26年5月13日 NOC宮嵜道男