キロ・メガ・ギガ・テラ・ペタ
電脳・コンピュータの情報処理能力は、この20年で爆発的に巨大化しました。
キロが千、メガが百万、ギガが10億、テラが兆、ペタが千兆の単位を示しています。
毎日、利用しているフェースブックの利用者は世界に8億人で、一日10テラバイトの情報処理をしているそうです。
最近話題のビッグデータの扱う情報量はテラバイトの千倍、ペタという単位になります。
交通情報も天気予報も防災シミュレーションやマーケット予測等々とあらゆる方面での応用が本格化しています。
ビッグデータで、消費者の購買行動を表してみると、従来、効果的と思い込まれてきたセールのタイミングが間違っていたり、店内を歩く消費者の動線が浮かび上がり、意外な盲点が見つかったりします。
修正すると面白いように良い結果が出るということから、ビッグデータを読み熟す専門家が各方面で引っ張り凧だそうです。
情報量は多ければ多いほど精度が上がる。
野村総研が生活者の気分や価値観の変化などに焦点を当てて、1997年から3年おきに1万人の規模でアンケート調査をしています。
2012年度は、6回目の調査でした。
全国の15歳から79歳の個人の男女1万人に対して、訪問留置法という調査手法で行われました。
アンケート調査の要点を整理してみました。
<四つの購買スタイルの傾向変化>
*以下のパーセンテージの数値は、2000年(左)と2003年(右)の 構成比の変化を示しています。
利便性消費
高い安いよりも便利に買えることを重視する。
コンビニ、駅構内、駅隣接店や深夜営業店を利用するタイプ
37%→35% 減少
安さ納得消費
ものに対するこだわりがなく安さを重視する。
ディスカウント安売り店利用タイプ 40→34% 減少
徹底探索消費
色々情報を集めて比較し、納得できる最低価格で購入する。
ネットショップ利用タイプ 10%→13% 増加
プレミアム消費
サービスや情報などの付加価値を重視し、高くても、気に入った ものを買う。
専門店、百貨店利用タイプ 13%→18% 増加
以上の減少、増加傾向は、2012年の調査でも続いていて、概ね消費スタイルは更に「成熟した大人」スタイルの傾向を深めています。
●「安くて経済的なものを買う」傾向が減少して、「多少、値段が高くても品質のよいもの、自分のスタイルに合ったもの、安全性に配慮された物」が増加している。
● 増加傾向にある「徹底探査消費」、「プレミアム消費」の消費者は、商品情報が、氾濫して何を信用して
よいかわからないという戸惑いがあり、最終的には「有名メーカー品とかブランド品」に落ち着く率が上がっている。
32.9%(2000年)→ 47.3%(2012年)
*商品の品質ラベルやオーガニック認定ラベルなどは、商品の
信頼性をバックアップし、大変有効です。
● 同等の機能、価格なら外国製より日本製を買うと答えた率も上昇している。 32.7%(2000年)→57.7%(2012年)
*出来るだけ日本製、メイド・イン・ジャパンの表示を目立たせることが 有効です。
<ネットショップとリアル店舗>
● インターネットで買い物する消費者は着実に増え、全体で38%、30歳代に絞ると58.2%にもなる。
● 商品情報をどこから得ているか?の設問には、実店舗と答えた率が上がり始めている。店頭で、店員から詳しい説明を聞いている。
インターネットの価格に対して店舗の価格が高すぎると、説明だけ聞いて注文はネットでするということになるので、普段からネット価格を調査し店頭価格に反映する必要がある。また同時に、店員の接客能力を向上させなければならない。
● 情報の優先順位については、企業からの情報を重視する27%に対して、71%の人が実際の利用者のネットの書き込みなどユーザー評価を重視するとある。
*「使用者の声」として評判などを積極的に公表することの重要性が見えてきました。
<エシカル消費 ブランド志向>
日本の一人当たりの消費支出額は、2001年を100とすると2010年には97.9に落ちています。
消費者全体の今後の経済の見通しは、暗めに見ています。収入の増加は見込めないので、生活全体を抑制する傾向があります。当たり前の生活品はできるだけ安く抑え、こだわるものには、高くても買うというメリハリをつける傾向が見られます。
●「目指すライフスタイル」を聞くと、「地球環境に優しい生活や行動に取り組む」と答えた人が35%もあった。
●「価格が高くても、節電や省エネルギーに貢献する商品を選びたい」では、20歳代で60%、60歳以上では70%とエネルギー意識の高さを見せた。
社会貢献意識に関する調査では、「東日本大震災後一年間に行った行動」の設問に、全体の58.3%の人々が、何らかのエシカル消費をしたと答えました。
・募金した人が69% ・販売価格の一部に寄付金が含まれている商品の購入をした人たちが 46.4% ・被災地で生産された商品の購入をした人が41.5% ・社会貢献活動に取り組む企業の商品を意識的に購入した人は 16.6%
<品質 機能に妥協はゆるされない>
「多少値段が高くても、できるだけ社会貢献や環境に配慮した商品を購入すべき」に同意した人は58%でしたが、「多少品質が劣っても、社会貢献や環境に配慮した商品を購入すべき」と設問を変えると途端に34.2%に下がりました。
品質の良くないものは許していないことが判ります。エシカル製品とはいえ、デザイン面、機能面で甘えることはできません。
日本人の性向として、自身の意思で決めるより、周囲の評価や流行りを強く意識するので、「高級」とか「一流」とか、「人気の」などの形容詞が有効で、ブランドマークや認定ラベルなどへの注目度は高いようです。
オーガニック、フェアトレード、NOC認定などの言葉を大いに活用することを奨めします・
平成25年11月25日 日本オーガニックコットン流通機構
宮嵜道男