アルファルファが大変なことになっている
小学生だった1960年頃、「ちびっ子ギャング」というアメリカの子供向けテレビ番組がありました。勉強しなさいと眼を光らせる親に隠れては、妹とクスクス笑いながら観た懐かしい番組です。
主人公の男の子の名前がアルファルファで、前髪をきちっと分けてすき歯で、ちょこまかと動き回ります。妹は小太りでのんびり屋のポーキーがご贔屓でした。
さてこの度の主人公のアルファルファは、ムラサキウマゴヤシという名の草です。
この草は、家畜の牧草になったり、スプラウト(もやし)は健康食として人気が出始めています。
そしてなんと言ってもこの草は、有機農業では重要な役割を持っています。
根に根粒菌を付ける性質があるので、大気中の窒素分をどんどん吸い込んで窒素肥料化してくれます。
OTAよりのメールマガジンより抄訳
アメリカのOTA(オーガニックトレード協会)は、GE(遺伝子組み換えされた)アルファルファの栽培自由化に抗議しようと運動を始めています。
オバマ政権の農務省は先月の1月27日に、GEアルファルファの使用禁止を撤廃するという政治決断をしました。
従来は、GEアルファルファが、オーガニックや従来のアルファルファと混じることを禁じる連邦法があって守られてきていました。
この度の政策によって、確実に混在してゆくし、ラベルの表示義務もなくなったため、消費者は選択の自由を奪われる形になりました。
遺伝子組み換えされた野菜を避けてきた消費者はもう見分けることができません。
この決断は、モンサントのような農薬や種を扱う巨大企業を優遇する形となっています。
GEアルファルファの解禁の恐ろしさは、これだけに止まらず、一つの前例として将来にわたって、つぎつぎと遺伝子組み換え作物の規制がなくなる第一歩であるという事です。
巨大企業の豊富な資金力と強い組織力で市場の選択の巾は狭まってゆきます。
「即刻再検討せよ!」
OTAでは、ホワイトハウスのオバマ大統領に政策ミスである事を指摘し抗議に行こうと呼びかけています。
日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮嵜 道男