重要なデータが変更か?

JOCA理事長 日比暉氏1月20日(2011)レポートはとても重要です。
ご注目ください。(抄訳)
コットンは、世界の耕作面積のわずか2~3%の面積で栽培され、
そこで使われている農薬は、世界の全農薬の10% 殺虫剤に限ると25%なんと4分の1にもなります。10年以上前から、オーガニックコットンの説明の時に、枕詞のように使ってきたこのせりふが変わるのです。日比さんのレポートでは、ICAC(国際綿花諮問委員会・アメリカ ワシントンDC)が2009年に綿花畑の農薬の使用について発表している内容を解説しています。

参照記事(pdf )

これによると1990年代に綿花栽培に使われた農薬の量はピークとなり、殺虫剤では20数%を示したとあります。
丁度、NOCがオーガニックコットンの普及活動を始めたころは、上記のような「決めせりふ」の表現は、誇大ではなかったようです。

そしてこの度、ICACは、信頼できる調査としてイギリスの会社CROPNOSIS社が行った結果を発表しています。

  • 綿花栽培のために支払われた農薬の金額と世界の全販売額の比率をみてゆくと
  • 1988年に、綿花の農薬は全体の11%だったものが
  • 2008年には3.8%に減った。(約2,700億円・90円/$)
  • 同様に殺虫剤に限ると2000年に19%、2008年には15.7%に減少した。

但しここで注意しておかなければならないのは、上記の「農薬」の定義で、除草剤殺虫剤落葉剤成長促進剤成長抑制剤などとして、化学肥料が入っていないことです。
一般に農薬と言えば、化学肥料は含まれますが、この調査データには化学肥料の記述が一箇所も出てきません。
化学肥料を入れると数字は更に大きくなります。このデータはまだ発表されていません。

この他、世界の農産物別に農薬の販売比率が出ています。

農薬の定義は前述の通りです。

世界の農薬販売額の作物別比率 (%)

作物 2004年 2006年 2007年
野菜・果物 29 30 30
穀類 16 16 17
大豆 10 10 10
とうもろこし 9 9 9
綿花 8 8 8
8 8 8
甜菜 2 2 2
菜種 1 2 2
その他の作物 14 15 15

JOCA日比氏は、

世界の耕作面積の綿花畑が占める割合は、2.5%であることを考えると、やはり農薬をたくさん使っている作物である事にかわりはない。

と言及しています。

その上、前述のように、化学肥料は、除外されていますが、実は化学肥料による土壌劣化、酸性化の問題も無視できない環境問題です。

オーガニック農産物は、植物の残渣や家畜の糞など処分に厄介な物を有効利用する訳で、エコロジー、サステナビリティの観点からも重要な要素と考えられます。

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