取り合えば足らず、分け合えば余る

食料危機?

1940年から1960年にかけて、来るべき人口爆発に備えてとして、食料増産計画が進められました。
「緑の革命」と名付けられた、この増産計画は、化学肥料、農薬を大量使用する産業型農業への転換でした。

この革命の推進には、ロックフェラーやフォードといった国際金融資本組織が深く関わりました。巨大な化学工業(農薬)の企業との連携が底流にあったといわれています。

「緑の革命」の発祥地フィリピンの国際稲作研究所IRRIによると、現在の地球上の人口を養うことのできるのは83億人としています。
2030年には80億を超える見通しです。
食糧問題は深刻さを増しているように見ます。

穀物1トンで年間6~7人が養えるとして、年間の穀物生産量22億トンでどれだけの人口を養えるかというと、なんと余裕の120~130億人となります。
但し、この穀物は、家畜のえさにもなるので割り引いて考えなければなりません。

22億トンを単純に現在の人口70億人で割ると一人当たり310kgになります。
一人当たりの年間消費量は180kgですからそれでも、必要量の1.7倍の生産が行われていることになります。

数字を見るとこの地球上には有り余る食糧があり、餓死者が起きることはないように見えます。

ところが、現実は、FAO(国連食糧機関)によると、毎日3万人の子供たちが餓死し、飢餓人口は9億人にも上るとしています。
なぜでしょうか?

それは、世界人口の20%を占める豊かな国が、食糧の50%以上を消費しているからです。
カロリー2倍の飽食、穀物10人分に相当する牧畜、肉食が原因の一つです。
また食べ残し、賞味期限切れによる廃棄など無駄な消費の仕組みに原因があります。

日本では、全食料のなんと4分の一を捨てていると言う現実を知らなくてはいけません。

グローバリゼーションの波にもまれ、見込みで大量に輸入し、生産して価格競争する大型スーパーマーケットによる食品流通のあり方も見直す必要があるかもしれません。

地域密着型の小規模な小売店商店街の方が無駄が出ない面があるでしょう。
地産地消、小規模化、集中生産から地域分散型生産方式など、昔の流通形態を見直し、いい点を生かした新しい時代の食品流通を創る必要が出てきています。

農薬や化学肥料を使わない農業に戻し、じっくり有機農業に向かう人口を増やし、飽食を改めることが求められる時代に差し掛かっています。

ダイエットとかメタボリックとか体重を落とすことが盛んに喧伝されていますが、
要は、食べ過ぎなのであって、食べる量を70%くらいに減らせばすべての問題は解決します。

環境にも健康にも優れたオーガニックフードを買いましょう。

宮嵜道男

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