”JAPAN”というブランド力は、どれほどのものか?
このところマスコミを見ていると、東アジアの一部の国々が歴史問題で日本を追及し、世界に向けて過去の日本の「罪」として発信し続けています。
原発問題については、組織立った隠ぺい体質が批判されています。現政権は右傾化しているのではないかと不穏な論評をする海外メディアもあります。捕鯨やイルカ漁への国際的な非難に頑な態度を緩めず、日本は野蛮な国というイメージが残ってしまっています。
国際的に日本のイメージが悪い方向に落ち込んで行くのが心配になります。
そこで、実際のところ、現在、「日本」と云う国がどのように評価されているのか、ビジネスに直結する「ブランド力」があるのか,ないのか興味が湧いてきます。
お店で輸入品を見ると、それがどこの国の製品かを見ます。その国によって品質の善し悪しや好きか嫌いか、信頼できるかなどを測り、買うかどうか決めています。
ブランドイメージはこのように海外向けビジネスを考える場合、もの凄く大事な要素である訳です。
アメリカ・ニューヨークにブランド・コンサルティングの会社FUTURE BRAND社があります。この会社は、国際的な広告会社インターパブリック・グループの傘下の会社で、途轍もなく大規模に、組織的に、ロジカルに国のブランド評価をしています。
そして毎年各国のランキングを発表しています。
世界21か国を拠点として専門のスタッフを500人以上使い、3、600人のオピニオンリーダーや18ヵ国の海外旅行者のインタビューを行い、更に居住者、投資家、政府関係者など幅広く、社会の色んな階層の人々の評判を取りまとめています。
文化面、産業力、経済力、環境保全や政策を評価し、認知度、熟知度、関連想起性、尊重度、優先度、訪問頻度、周囲の人の評判等々も総合的に評価して各国の「ブランド力」として指数化して順位を付けています。
2013年の国家ブランドランキング(2013)
1位:スイス
2位:カナダ
3位:日本
4位:スウェーデン
5位:ニュージーランド
6位:オーストラリア
7位:ドイツ
8位:アメリカ
9位:フィンランド
10位:ノルウェー
以上のように「日本」はなんとトップテンに入り、なんとトップ3にランクされていました。
また、イギリスにも国家ブランド指数( Nation Brand Index)として、国家の評価を計測する指標を発表しています。
サイモン・アンホルトとGFKローパー広報&メディア社が2005年から調査して発表しています。アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、ロシア、ポーランド、トルコ、日本、中国、インド、大韓民国、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、エジプト、南アフリカ共和国の約2万人にアンケートし、約1000の質問をして集計しています。
質問の項目
国民:遂行能力、教育程度、文化や宗教への寛容性、友好性、人種差別性
政府:公平性、効率性、民主主義、正義・貧困・環境など国際問題への貢献
観光:自然保全、人工構造物などの魅力
文化と遺産:国家の遺産、現代文化(映画、音楽、芸術、スポーツ、文学)
投資と移住:居住性、労働、学問の魅力、政治や社会状況
以上の結果 (2011年)
1位:米国
2位:ドイツ
3位:英国
4位:フランス
5位:日本
6位:カナダ
7位:イタリア
8位:オーストラリア
9位:スイス
10位:スウェーデン
こちらも5位にランクされています。
これらの評価を見て安心しました。意外にも、世界が「日本」に対してかなり良いイメージを持っていてくれたのでした。
これならば、海外に向けて商品を紹介しても成算ありと云うことです。
大いに日本製ハイクオリティ・オーガニックコットン製品を海外市場に出してゆきましょう。
平成26年4月2日 NOC 宮嵜道男