TE テキスタイル・エクスチェンジ 報告書 2021
Textile Exchange:Organic Cotton Market Report 2021
昨シーズン2019年、2020年のオーガニックコットンの世界の収穫状況が発表されました。
概況は、オーガニックコットンの歴史が始まって以来の記録的な収穫量で、今年もその勢いがあって大いに期待できそうだというもの です。
24万9千153トン で 世界の綿花生産量の 1% を占めました。
長らくオーガニックコットンに携わってきた者達にとっては、この1%の壁の高さに一喜一憂したものです。
一時は需要が陰ったり干ばつが続いたりして収穫量が低迷した時期もありましたが、4 年前から順調な成長路線に乗って昨シーズンの結果となったわけです。
21カ国23万人の農業者が、59万ヘクタールの認定の有機農場で収穫しました。心から生産者の健闘に拍手を送りたいと思います。
旺盛な需要があっての生産ですから、日本の市場にもっともっと浸透させていく使命が、私たちにあると気持ちをさらに強く持ちましょう。
今シーズンの収穫量も期待できるのは、特に インドとトルコが、先の需要を見越して積極的に認定農場を拡張していること にあります。
取引価格も上がり、魅力的な農作物として取り組み、予測ではなんと48%増しが見えてきています。
TE テキスタイル・エクスチェンジ の代表 La Rhea Pepper さんは、このオーガニックコットンの成長に対して気を緩めるな、こんなものではなく高い目標に向けて頑張ろう とげきを飛ばしています。
以下抜粋してその心意気をお伝えします。
TEの気候変動への対策の目標は、2030年までに温室効果ガス(二酸化炭素換算)の排出量を45%削減すること です。
堆肥などの肥料を使うオーガニックの土壌は、化学肥料や農薬を使う従来の土壌よりもはるかに多くの炭素を蓄えます。
何としてもこのオーガニックコットンの生産量を増やして温暖化対策を進めなくてはなりません。
もう目標の30年までに残り9年しかありません。
抜本的で体型的な変革が必要なのかも知れません。
希望はあります。このところのオーガニックコットンの需要が大幅に拡大している事実です。
オーガニック生産システムは、気候変動の解決策であることは実証済みで、このまま突き進んでいくことに一点の曇りもありません。
繊維産業全体の最適解として力強く推進していかなくてはなりません。
大自然、土壌、農場、家族、地域社会、そして私たちの地球のために、私たちの惑星のために、私たちが一緒になって取り組めば、はっきりとした違いが生まれます。
DATA
2019/2020 | ||
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収穫量 | 249,153トン | |
生産国 | 21ヶ国 | |
認証農場面積 | 588,425 ヘクタール | |
前年比 | 3.9% 増 |
前年対比生産増加率トップ5 | ||
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1位 | パキスタン | 409% |
2位 | タンザニア | 114% |
3位 | ウガンダ | 83% |
4位 | ギリシア | 47% |
5位 | ブラジル | 38% |
出典:Textile Exchange:Organic Cotton Market Report 2021
Organic Cotton Market Report 2021
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