サステナブルって何ですか?
サステナブルって何ですか?
文化出版局が発行する総合ライフスタイル誌「ミセス 」4月号では16ページという破格のスペースを使って「サステナブルって何ですか?」という大特集を組んでいます。
サステナブルの基礎知識をはじめ日本と世界の現状や、暮らしの中で私たちが出来る事、ファッションから考えるサステナブルについて紹介しています。
この特集を執筆しているのは、いつもNOCを支援してくれている環境ライター・NPO法人「そらべあ基金」理事の箕輪弥生さんです。
箕輪さんはまず、サステナブルの基本的な知識を分かりやすく語りはじめ、それぞれの問題点を指摘しています。
私たち人間の活動によりCO2の排出量が増えて地球温暖化が進み、気候変動が引き起こされ、遂には引き戻せない所まで地球環境が変貌する危険を挙げています。
- すでに産業革命以前に比べて地球の気温は1°C以上上昇しており、このため自然災害(昨今では、オーストラリアやアマゾンの山火事、洪水、日本で起きた大型台風など)が起きている。
- 生物の絶滅危機、生物多様性を失うことは、その頂点に位置する人類の命を脅かす恐れがある。
- サステナブルな行動へ、躊躇なく変えていかなければならない。
- 世界各国では気候変動への対応として自然エネルギーを使用する、循環型の街づくりを行うなど、将来的にCO2排出量ゼロを目指すサステナブルな方法にシフトしている。
- 日本の現状はCO2排出量が世界5 位にも関わらず、二酸化炭素の排出量の多い石炭火力発電所の新設計画がおこなわれ、大手銀行の化石燃料関連事業への投資額が大きいことなど世界と逆行し、遅れをとっている。
箕輪さんはこれからの日本は、自然エネルギーを利用する方法やサステナブルな方向へ急ぎ転換させていくことの必要性を強く主張されています。
ファッション業界でも、化学繊維を洗濯することで出るマイクロプラスチックや衣料廃棄の問題などサステナブルな方法へ向かうための課題が多くあります。既に業界の先頭に立つ、有名アパレル企業や有名ブランドの意識は変わり、具体的な行動を起こし始めていることが特集内で紹介されています。その中でオーガニックコットンは、サステナブルという点で大きな役割を担っていることがわかります。有毒な殺虫剤や化学肥料など使用しない、通常のコットンよりも水の使用量が少ない、カーボンニュートラルという点からもオーガニックコットンは最もサステナブルな繊維素材ということが明らかになっています。
さらに170ページでは、bioRe Project(ビオリプロジェクト)についても紹介されています。このプロジェクトは、スイスのREMEI社がはじめた「オーガニックコットンで生産者や地域の自立を支援する仕組み」です。
オーガニックコットンの栽培から最終製品に至るまでを5つの原則、①有機農法、②公正(綿農家や工場で働く人たちへ適切な労働環境の提供)③エコロジー(有害な化学物質を使用しない)④透明性(トレーサビリティー)⑤革新(環境に配慮した資源の活用を目指す)を元に、第三者認証機関による厳しい検査を受けて認証しています。オーガニックコットン農場で働く人とその家族の生活をより良いものにする為に、NOCも毎年寄付をして支援しています。
今回ミセス4月号「サステナブルって何ですか?」の記事を読んで感じたことは、国や企業がサステナブルな方法で電気や商品をつくりだすことは勿論重要ですが、実はそれを求める消費者の意識が大事だということ。ひとりひとりが サステナブルな未来を目指して、お互いに意見を出し合い、みんなでサステナブルという価値の高い商品を選択する消費行動をすることの重要性が分かりました。サステナブルの訳語は持続可能性ですが、平たくいうと、「未来の子孫にいい環境の地球を渡してゆこう」ということです。
みんなの意識が変わってゆくことで、もっともっと社会にサステナブルな仕組みが増え、気候変動を食い止めることに繋がるのではないかと思いました。
そして、サステナブルな観点からNOC認定のオーガニックコットン製品をみると、有機栽培(農薬や化学肥料を使用しない)の綿の布地でできたオーガニックコットン100%の製品ということから信頼のできるサステナブル製品ということがわかります。またさらに透明性(トレーサビリティ)、公正性(フェアトレード)であることから、地球環境と人にやさしいエシカル製品であると思いました。
日本オーガニックコットン流通機構
ブラウン美帆 2020.4.14