インド農場 工場の視察
パノコトレーディングの
野倉さんがインドを訪れました。
去る8月24日から9月1日まで
インドの取引先やオーガニック農場を
視察されました。
<主な目的>
1 紡績会社のエンジニアと交流して品質についての要望を伝えること
2 bioReプロジェクトの畑を訪ね、作柄や栽培の状況を確認すること
3 bioReの支援事業の一つの学校の様子を見に行くこと
4 新たな生地開発のためにメランジ(霜降り状)の紡績ラインを視察すること
以上の4点でした。
生産を依頼している紡績会社Eurotexで
品質向上と品質維持について技術者たちと
打ち合わせをしてから
工場内部に入り視察しました。
8月27日 Kasrawad
bioReプロジェクトのMoti Singhさんの畑に行きました。
2.5エーカーほどの広さでした。
種は約2か月間に亘り数回に分けて蒔くとのことで、
15センチほどの苗もあり、綿毛の実もありました。
この畑では、デシ綿という繊維としては
太く繊維長も短いタイプが栽培されていました。
デシ綿は正式名,アレボレウム。アジア種で
この土地柄には最もよく合っています。
日本の和綿もデシ綿の中に入ります。
一般には、紡績には向きません。
布団やクッションに入れると、
いつまでもヘタらない特長を持っています。
ここでは、紡績に向く品質のデシ綿を開発して
います。デシ綿は、一般的なヒルスツムタイプ
(90%以上がこのタイプの綿)と葉の形が
異なるので簡単に見分けられます。
人の指のように深く切れ込んでいるのが特徴です。
この葉は、最初の双葉、その後2回、葉が変わり
4度目の最後にこの形が現れるそうです。
放っておくと背丈は高くなり綿摘みに
不便ですので、成長点を切って
1.2メートルに揃えています。
化学的な殺虫剤の代わりにトウガラシやニンニクなどの 刺激性の植物を使って作る防虫スプレーの準備をしていました。 これこそオーガニック農場ならではの作業です。
8月28日
bioReの新しい学校を訪問しました。
9月から開校の予定で建設工事が進んでいました。
大きな建物で8つの教室に分かれています。
将来の学校の形は絵に示されています。
スイスコープがこの建設資金をスポンサーしています。
bioReプロジェクトの子供たちだけでなく近隣の子供たちも学ぶ機会を提供してゆくそうです。
8月29日Udaipur
インドのコングロマリット企業のBHILWARA Groupは発電、
電設材料、発電エンジニアリングIT情報サービスを多角的に行っています。
その中の繊維部門を運営しているRSWM社を訪問して得意分野のトップ染め
霜降り糸の工程を視察しました。
黒く染めた綿と生成りの綿を規定の配合率で均質に混綿して
霜降り状の糸を作ります。
トップ染めから作った糸で作った生地は、生地を染色したものよりも
自然で優しい風合いも持ちます。
パノコトレーディングでは、このところ好調なグレーのニット地の
開発を進めています。
この工場の糸が色々な製品になって、日本の店頭に並んでゆくでしょう。
平成26年10月2日 日本オーガニックコットン流通機構 宮嵜道男