bioRe2012-13 事業報告書

当レポートはこのTシャツにプリントされています。→

ビオリ基金代表

ヨルグ・ペリッツ氏の挨拶文

我々人類が誰しも社会において自立し、幸福に暮らせるよう望んでいることは疑いの余地のないことです。

経済の世界では、地球が生み出す資源の許容量を超えて消費する開発がどんどん行われています。「2050年、この地球はどうなってしまうのか?」と問わざるを得ません。

人口は90億人に達すると云われ、中国、インド、ブラジル、東ヨーロッパの国々の消費は劇的に大きくなっていることでしょう。資源の需要は高騰し、奪い合いの末、悪くすると紛争になりかねません。耕作地は縮小し、労働需要は減退し、極く少数の人々に支配されてしまうかもしれません。

このように従来のビジネスのやり方で行おうとすると人類の夢の実現はあり得ません。持続可能性の考え方は、地球の資源を浪費することなく、経済の成長のエンジン役になれる可能性があります。

新しい技術、ライフスタイルの変化、資源の新しい管理方法、再生可能資源の利用、リサイクルの仕組み、そして持続可能性のある農法などが重要なテーマになります。この意味でオーガニック農業は、今日も将来も自然環境のために人類の経済のためにも大いに役立つことでしょう。

残念なことに、インドおけるGMOコットンのシェアーは今日約95%を超えています。もはや一般の種でGMOでない物を探すのは至難の業となりました。オーガニックの農業が求める規定の上でこの事業を進めてゆくのは大変難しい挑戦となりました。

我々は、そこで新しいリーダーを迎えて再構成し作業工程も新たに作り、責任の所在を明確にし、優先順位を決めて進める体制を作りました。現在最も優先しなければならない事業は「種」で、できるだけ早く、土地の特性に合った品種を選定してプロジェクトに供給することです。次にしなくてはならないことは、オーガニック農業のコミュニティの一員として農民を自立させることです。

幸運にもタンザニアのプロジェクトは、好天に恵まれ、収穫が期待できます。

我々が進めてきた社会プロジェクト「健康、教育、訓練、井戸事業、生活改善」などは、インド、タンザニア両地域とも満足できる状態になっています。

上記のような数々の難問は、我々を鍛え、この素晴らしい地球上で世代を越えて価値ある暮らしをするため、未来に向かって努力する気概を育ててくれたと考えています。

我々と共にこの意義ある旅路をご一緒頂いている皆様に心から感謝しています。

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<農民の参加>

農民へのオーガニック農業の訓練は、良い結果をもたらすために欠かせない。インド、タンザニアで持続可能性農業の訓練を行っている。

<未来の世代のための持続可能性農業の研究>

ビオリ・インディアは2007年からスイスの有機農業研究機関FiBLの指導を受けて進められている。

<GMOではない純粋コットンの種の研究>

FiBLとインド・ダイヤワードの農芸化学大学の協力を得て種の栽培研究を進めている。

<オーガニックシルク事業による生活改善策>

新たにオーガニックの養蚕事業を始めた。

<AAVRANプロジェクト>

女性の経済的な自立を目的とした事業で、インド伝統の手織り加工を行っている。

支援企業は、スイスコープ(スイス)、リーメイ社(スイス)、㈱パノコトレーディング(日本)

<社会基盤改善事業>

教育:子弟教育  22の学校をスポンサーして1050人の生徒に教育機会を提供している。(内、一校は㈱パノコトレーディングが提供した)職業訓練、コミュニティづくりも行っている。

 大型バスによる移動病院の実績:インドに於いて、累計4万人の患者を診療してきた。

 水のプロジェクト:タンザニアに於いて昨年13の飲料水用井戸を新設した。累計で60か所の井戸で1万9200人の人が恩恵を得ている。

雨水の貯水タンクの建造:学校や診療所に貯水タンクを建造してきた。現在までに20か所。

ヨモギ・マラリア・プロジェクト:ビオリプロジェクトの実験農場でヨモギを育て2年が経過した。ICIPEなど国際的な研究機関の協力を得て、マラリア感染症の治療効果があるヨモギを栽培している。

 二酸化炭素オフセット効果:農産物が植物としての炭酸同化作用によって大気中の炭素量を減らしている。二酸化炭素のオフセット量は

2010~2011年      4、000弱トンCO2

2011~2012年      8、000強トンCO2

2012-2013年      12、500トンCO2

*CO2抑制策としてバイオガスプラントと高効率ガスレンジの普及も貢献している。

平成25年10月29日             NOC  宮嵜道男(抄訳)

 

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