女性がリードするエシカルな社会 その2[コラム 2021 No.17]
こちらの コラム その1 で、本来女性が主体で男は女性をサポートするのが創造の神の意思だったのでないかと書きました。
ところが現実は、政治の世界も経済の世界も男が牛耳っています。
その結果、男は地球の環境を汚し、そして原子爆弾まで作って人類を危機の淵まで引っ張ってきてしまいました。
そこで男から女性にすべてをお任せしたら、本当に平和で節度のあるエシカルな社会ができるのではないかと思うようになりました。
ドイツのメルケル首相、ニュージーランドのアーダーン首相など、この度のコロナウイルス感染対策でも、女性のきめ細かい目配りで実績を上げました。
女性はなんと言っても、子供を生み育てる崇高な存在であって、国民の命を預かる政治にこそ、女性の感性が反映されなければならないと思います。
子供を生み育てたら、戦争など思いつくはずがありません。
腕力をチラつかせた無駄な競争ではなく、共存共栄ができるのは女性です。
1998年 の事でした。新しく民主党が発足した時、何か新鮮な勢いを感じました。
そこで代表の菅直人さんに政策提案書を送りました。
その提案書の一部に女性の世界連合を作ってはどうかという文章を載せました。
以下は、抜粋の文章です。
21世紀は、女性が本来持つ融和性や子供を生み育てる実感からくる、分け隔てのない人類愛というもので、世界を満たさなければなりません。
20世紀 は男性のもつ闘争心や警戒心、猜疑心が極まって世界は複雑に絡み合ったパワーゲームに終始しました。
多くの悲劇を生んだ幾多の戦争、異常な経済膨張によって、地球環境を傷め、貧困格差を世界中に広げてしまいました。もうこれ以上男たちに任せていていいのでしょうか。
民主党は 21世紀を迎えるにあたって従来に無い新しい切り口で、政策を描いてみてはどうでしょうか。
まず手始めに女性議員を少なくても半数以上に大幅に増やすことから始めなければなりません。そして世界の人口の半数を占める女性たちにネットワークを作る呼びかけをしてはどうでしょうか。
核兵器を持たない平和の国の日本の一政党が、欧米諸国、アフリカ、アジアの国々、中国、 ロシア、火種の絶えない中東諸国など世界の国々の指導者の奥さんやお母さん、そして娘さんに、また経済界、マスコミや芸能界の各界で活躍する女性たちに向けて一斉に手紙を出すのです。
どうしたら紛争が無く、自然環境を傷めず、貧困格差を起こさない新しい21世紀を作るか、子供を守る母性でネットワークを組みましょうという手紙です。
この手紙の返事は世界中の新聞社に働きかけて掲載してもらいます。
きっと、どの国の女性たちも大量殺戮兵器の核兵器に反対するはずです。
自然環境汚染に反対するはずです。
これまで、男は頭だけで捻くり出した自分勝手な「論理」で自然環境を傷つけ、人を、動物を痛めつけることを正当化してきました。
男は、感性が鈍く創られているので、何とか頭で理解しようとしますが、その先の欲望がチラつくと、破壊することも正当で、それが平和への道だなどというすり替えの極端な論理をまことしやかに積み上げます。
これに対して対抗できるのは、女性の情感から来る「どんな理由があろうとも、傷つけてはならない」、変な理論は変と判断できる直感力です。
世界の女性がネットワークを組んで男の頭で考えた屁理屈論理を無力にしてしまいましょう。
このための女性による世界大会を日本で開催しましょう。
そこには、西も東も北も南も無いすべての女性が手を組んで、もうこれ以上男たちの勝手を許さないというメッセージを世界に発信していけば、さすがの男たちも今までのやり方を変えざるを得なくなります。
21世紀は情感の世紀にしなければ、あらゆる面で起きている矛盾を解決できません。
世界の半数を占める女性が主導しなければ解決しません。
この提案に対して、菅義偉総理大臣(当時)さんからは何も返事は来ませんでした。
エコロジーの面でも環境の悪化にいち早く実感をもち行動できたのは女性でした。
アメリカで化学農薬全盛の 1962年頃、その害を最初に主張したのはレイチェル・カーソン氏でした。
当時の農薬推進の男たちから「気違い女」呼ばわりされながら頑として闘い抜きました。
「沈黙の春」という著書は有名で、環境運動している人たちのバイブル的存在です。
化学農薬の影響で、鳥もさえずらない、虫も鳴かない不気味な「沈黙の春」を描き出しました。
「センスオブワンダー」という本では女性らしい感性で大自然への想いと子供を通じて未来の平和への願いがつづられています。
これまで 28年 にわたるオーガニックコットンの普及の運動を振り返ってみて、今、多くの女性たちの助けが思い出されます。
オーガニックコットンの説明をすると、さっと本質を理解してくれて、率先して協力してくれました。
女性が共通してもつ 平和・平等・安全 への希求の感性こそエシカルセンスです。
いよいよ危機感が高まってきた気候変動問題、世界的なパンデミック、解消しない国家間の貧富の格差、移民難民問題、異常な富の偏在、所得格差から派生する犯罪問題、行き過ぎたグローバル経済などなど、資本主義の副作用が同時に起こってきています。
資本主義を修正しながら適正な解答を求めるという懐柔策では、無理があるのではないか、全く新しい発想で社会をデザインし直す方が早いのではないかという気持ちの受け皿として「人新生の資本論」「21世紀の資本論」などの本が現れ、驚異的な売り上げを伸ばしています。
21世紀は、女性が政治にも経済にも社会のリーダーになって活躍できるよう男性は下からしっかりと支えるのが、エシカル社会に進める最善の方策という考え方を、これらの本に触れてさらに信じるようになりました。
完
2021年11月12日
日本オーガニックコットン流通機構
オーガニックコットンアドバイザー 宮嵜 道男