有名女優さん達がオーガニックコットンを支持[コラム 2020 No.21]

2020年11月24日午後11時、ニュース23というテレビ番組を観ました。
「ファッションが地球を汚す」というテーマでしたので特に注目しました。
近年のファーストファッションの台頭で極端な大量生産、大量消費の問題点が臨界点に達してきている現状が報告されました。

製造工程中で起こる問題が取り上げられ、大手ブランドも少しづつ改善への舵を切っている事情が紹介されました。
その中には例えば、化学染料から食材の残渣を染料として使う工夫がありました。
スポンサーで成り立つテレビ業界ですから、あまり突っ込んだ現実までは取り上げられません。汚染問題ともう一つ、フェアトレードの問題がありますが、全く触れられませんでした。

番組の中盤になって、押切もえさんが登場しました。
押切さんは、高校生のころからファッションモデルとして人気を博し、女優やバラエティのコメンテーターや小説家として活躍するマルチタレントです。

その押切さんが、サスティナブル・ファッションを語り、オーガニックコットンこそ、この問題の解決策であることを言及しました。
NOC会員である (有)Julietteのブランド「nanadecor」のSDGsドレスを自身で着て紹介していました。
着るだけで心と体が緩むオーガニックコットンウエアと評されました。

その後、コットンが使う大量の水資源問題に話を深めて行きました。
コットンのTシャツ1枚作るのにバスタブ15杯分2,700リットルの水を消費している、ウズベキスタンのアラル海はかつて、日本の東北地方と同じ位の広大な水を湛えていたが、コットン栽培のために干上がってしまった事などを熱心に語りました。

大規模な集約農業で灌漑を施すと、水資源は途方もなく使われる現実があります。
この点オーガニックコットンの栽培は、中小規模の農家が天水(雨水)で栽培しているので、水資源の問題が起きていません。この点にも触れていました。
Tシャツだけをとっても、年間に20億枚の生産がされているのが現代で、本当に
原料から生産、販売まで地球資源の問題や汚染の問題など広く関心を寄せなければならない時代になってきています。

女優の柴崎コウさんも独自のファッションブランドMES VACANCESを立ち上げ
て、オーガニックコットンを中心に、サスティナブルな素材を使って個性的な製品を
販売しています。
NOCグループのパノコトレーディングの生地も採用されています。

押切もえさんも柴崎コウさんも演じ観られる立場の仕事をしてきて、大人の女性として外面ばかりで無く、内面を豊かにする意識が強まると、自分の生きる周囲の環境にも目が向き、自ずとエコロジーやサスティナブルな問題に関心を持つようになったように思われます。
とても自然な感覚で、これがオーガニックな世界が広がる原動力なのでしょう。
子育てを経験すると更に、子供はもちろん自分自身も大自然の一部なんだという感覚が湧いてきて、自然環境を汚す事に痛みを感じるようになると云います。

現代はとてもいい時代で、より環境に良い製品をいくらでも手軽に買う事ができます。自身の選択次第でいくらでもサスティナブル志向が高められます。
そして、同時に家族の健康にも有利になることも解るようになります。

nanadecor の SDGsの取り組みについて、17テーマに沿ってまとめてありますので参考までに列挙します。

  1. オーガニックコットンを通じ生産者、農家の基本的な賃金を保証し不当な 労働から守ります。
  2. オーガニックコットンでは綿栽培の強い農薬使用から地域の農産物を守ることができます。
  3. 農薬や枯葉剤の散布をしないことで、農家を地域の水質汚染や大気汚染から守ります。
  4. 世界の子供を児童労働から守る認定NPO法人ACEの活動を通し子供の教育をサポートします。
  5. 認定NPO法人ACEの活動を通して女の子の自立支援、教育をサポートします。
  6. オーガニックコットンの定期買取により農家の収入が安定し、水やトイレの確保を促します。
  7. オーガニックコットン生産により過剰なエネルギー消費を削減します。
  8. オーガニックコットン栽培により農家さんに倫理的な働きがいをもたらします。
  9. オーガニックコットン栽培により、長期的に安全で安定した農業、生産背景を作ります。
  10. オーガニックコットンの安定的な買取により、どの農家も公平に取引ができます。
  11. 高価な農薬購入による貧困と自殺者を防ぎ、持続可能で安定した収入を 確保します。
  12. 地球にも人にも負荷がかからない農業や生産背景を通じ、安心安全な物作りを実現します。
  13. オーガニックコットン栽培や製品の生産によりCO2の削減に貢献します。
  14. オーガニックコットンの生産者や工場では化学薬品の使用を控えることで海を守ります。
  15. 枯葉剤の散布と輪作をすることで進む砂漠化を防ぎ、土壌の微生物や多様性を守ります。
  16. 協会による教育とサポートでオーガニックコットン農家の不正行為や暴力を防ぎます。
  17. オーガニックコットン製品の適正価格の売買を通じ、個人が持続可能な世界へ貢献できます。

2020年12月1日
日本オーガニックコットン流通機構 顧問 宮嵜道男

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