児童労働の2020年世界推計・傾向・今後の展望

Global estimates 2020

NOC が児童労働の問題に係わっていた10年前、世界の児童労働の数は劇的に減少して、それまで2億人だったのが2016年には1億5160万人までになりました。
児童労働撤廃運動の功績でノーベル平和賞(2014年)を受賞されたカイラッシュ・サトヤルティさんをインドから招き、お祝いの集いがありました。

サトヤルティさんは、オーガニックコットンの生産地のマディア・プラディッシュ州生まれで児童労働の雇い主と熾烈な戦いを勝ち抜いてきた人とは思えない優しい 眼差しの方でした。
その時の勢いで、これでこの問題は解決していくと確信しました。
ところが、現下のコロナ禍で世界的なロックダウン、学校閉鎖、経済の混乱などで児童労働問題に赤いランプが再び点灯しているようです。
国連が今年2021年を「児童労働撤廃国際年」と定めたこの6月10日に、ILOとユニセフがずっと減少を続けてきた児童労働の数が一転して1億6000万人を超えて なお増加傾向にあると報告しました。
関係者は落胆し、異口同音に「この傾向を信じられない、子供たちに謝らなくてはならない」と嘆いています。

児童労働とは

改めて児童労働とは何かを示します。

児童労働とは

  • 15歳未満の義務教育を妨げる労働
  • 18歳未満の危険有害労働
  • 国際条約及び国内法で禁止している労働
  • 最悪の形態の児童労働、強制労働、人身売買、ポルノ、戦争や犯罪行為
  • 国際条約 国連:子供の権利条約32条で規定
  • ILO182号条約で規定 187か国が批准

代表的な児童労働の分野

コットン産業(栽培、紡績、縫製)コーヒー・カカオ・サトウキビ・家畜・水産
米農業・日干しレンガ・鉱石採掘・ポルノ

児童労働の発生地域

発生地域一覧
サハラ以南のアフリカ 23.9%
北アフリカ、西アジア 7.8%
中央アジア、南アジア 5.5%
中南米 6.0%
欧州、北米 2.3%

出典:Child labour: Global estimates 2020, trends and the road forward

児童労働撤廃のコミット(約束)宣言

日常私たちが何気なく買い物する中に、児童労働が背景にあるものはないかと問う気持ちが最も大事で、消費者の意識の高さがこの問題の解決の力になります。

日本の会社は往々にして、経済と政治は別だとして輸入元の事情を製品と切り離してビジネスの有利さを優先しています。
しかし、国際的には容認されることはなく、繫がりがあった場合のブランドのイメージダウンが、時に企業の命取りになる可能性も出てきています。

インドはコットン耕地面積、生産量が世界一で、児童労働の数も大きく48万人以上と言われ、その7~8割が女の子です。
オーガニックコットンの生産過程では認証の仕組みがあり、児童労働問題が起きることはありません。(認証のあることを条件にオーガニック綿花を輸入している)
NOCグループの原料供給元のbioReプロジェクトでは、児童の教育をサポート する仕組みが整っています。

皆さん、児童労働撤廃のコミット(約束)宣言しませんか!

日本で児童労働撤廃運動を推進している国際協力 NGO 組織 ACE のホームページに、児童労働撤廃のコミットメントを表明するコーナーがあります。
すでに、ハーモネイチャー株式会社株式会社アバンティ小林メリヤス株式会社有限会社Julietteなど、オーガニックコットン製品を取り扱う会社が名を連ねています。

皆さんもぜひ、この運動に協力することを表明されてはいかがでしょうか。

エントリーはこちらから!

SDGs8.7に経営トップがコミットメント!キャンペーン
http://teppai2021.acejapan.org/ceo-campaign/

レポート原版

Global estimates 2020 のレポートファイルはこちらからご覧ください。

Child Labour: Global estimates 2020
 
 
2021年10月08日
日本オーガニックコットン流通機構
オーガニックコットンアドバイザー 宮嵜 道男

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