ギフトショーの2月3日のセミナーを聴いてきました。
タイトルは「僕たちがモノを通して伝えたいこと

登壇されたのは、モア・トゥリーズ青木昭夫さんと、リバース・プロジェクト亀石太夏匡(たかまさ)さんでした。
エコロジーを熱く語る若い人達がどんどん増えて、ビジネスの場の中で目立つ存在になってきました。
卒琢・そつたく」という古い言葉があります。卵の中の雛鳥が内側からコツコツと固い殻をつつきます。親鳥は、その時を辛抱強く待ち、ひびが入るその時にタイミングを見計らって外からつつき、同時に殻を割って雛は産まれ出ます。この言葉のとおり、私の子供達の年代の若い人たちが、エコロジーを語り始めています。
1990年頃からエコロジーの運動を見てきましたが、主役はわれわれ団塊の世代でした。
そして、いよいよ団塊ジュニアの世代の卵の殻が割れて、いよいよ新しいエコロジーの感性が産まれたなあと感じられるセミナーでした。

人の若者たちの言葉は、これからの時代を引っ張ってゆく力強さを持っています。
映画の脚本家でもある亀石さんは、人間を深いところで理解されています。

「自分と言う存在の中に善の部分と悪の部分があって、常にせめぎ合って、日々の選択をしながら生きている」
「周囲に誰も居なくなっても自分と言う存在は死の瞬間までそばに居てくれる有り難い存在なのだから大切に扱わなくてはならない」
「人を騙せても、絶対に自分を偽る事はできない。自分に正直に生きるのが大事だ」
「自分の心の中の「良心」に問い、答えを聞いて行動することが大切だ」

そして話はフェアトレード・エシカルのテーマに繋がってゆきました。

「800円ジーンズなどのように安い衣料品が出回っているが、店頭に飾られるまでに、どんなことが起きていたか知ることが大事だ」

と語ってくれました。

実際に安い価格で売るためには、徹底的にはコストダウンしなければ企業の利益は出ません。
競合するメーカーがついて来られないくらいコストダウンして、低価格を武器に市場を独占するというビジネスモデル(戦略)が跋扈しています。
ファッション業界では、成功した量販企業は跳び抜けた利益を誇り、経営者はヒーロー扱いされています。
止むことのない価格競争は、安い労働力を求めて東南アジアの国々を巡って行きます。
渇いた雑巾を絞るように貧困の人々から買い叩いています。
誰かが苦しんでいることに気付かなくてはいけない。
楽しいはずのファッションの裏で、こんな残酷な現実があっても本当に楽しめるのか、と問いかけました。

またもう一つ感動的な問いを出されました。

「練炭を囲んで自殺する若者のグループがあるが、こんなのは卑怯だ」
「一人の人間がこの世に生まれ出るのに、どれだけの幸運の上にあるのか考えてほしい」
「そして日本という豊かないい国に生まれてきた幸運を考えてほしい」

世界に眼を向けると70%以上(40億人以上)の人々が、年収で30万円以下の貧困生活をしています。宗教や民族紛争に命からがら逃げ回って生きている人々、犯罪が多く警戒心を解く事の出来ない不自由な生活をしている人々等など不条理に堪えて生きている人たちがほとんどで、安心して豊かに生きていられるのは、欧米諸国と日本などわずか10億人くらいであることを知らなければなりません。私達は、本当に幸運の上にいくつもの幸運が重なってこの日本に生きているのです。
亀石さんは、

「この豊かな国に生まれたからには、するべき役割があるはずだ」

と言明されました。

「色々あるだろうけれど自殺なんかしている場合じゃない、この世に貢献してゆこう」

と会場の若者達を鼓舞していました。

亀石さんは、俳優の伊勢谷友介氏とともに「リバース・プロジェクト」という会社を経営していて、従来の衣・食・住の生活がもたらした地球環境や社会環境の問題を見直して、エコでエシカルな新たなビジネスモデルを創造してゆくとしています。
」の分野ではオーガニックコットンの素材を重視してくれています。
日本の伝統的な技術や工芸にも積極的に眼を向け、リバース(再生)をしてゆくと熱く語られました。
若い人たちの眼を通すと、古くて忘れられていたような物が、全く新しい価値観や審美眼で生まれ変わる可能性が出てくることがとても楽しみです。

日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮嵜 道男