GMOの国際会議

南米カルタヘナ
カルタヘナは、南米コロンビアの人気の観光地で、治安が良く、スペイン植民地時代に築かれたコロニアル様式の家々や教会は美しく、
ユネスコの世界遺産に登録されています。
1500年頃からスペインが侵略を始め、貿易港に向いた地勢からカリブ海、大西洋からの寄港の要所として栄えました。  
アフリカからの奴隷貿易の中心地でもありました。
当時、通商の最高責任者として権力を揮っていたスペイン人のフアン・デ・カルタヘナの名前を街の名称にしています。

1999年、この街に世界の生物学の専門家たちが集まり議論し、一つのルールを作り上げました。
カルタヘナ議定書です。

人為的に作られた新しい生物が地球の生態系を壊すことがないように管理して行くことが合意されました。
各国はそれぞれこの議定書に沿って法律を作り規制管理してゆきます。
議定書は、2003年9月11日に50カ国が批准したのを受けて発効しています。
日本は、カルタヘナ議定書に対応する国内法を2003年6月に成立させ、同年11月21日に議定書を批准しました。

カルタヘナ法として施行されています。

1990年頃からバイオテクノロジー・遺伝子技術が急速に進み、産業としての有利性が注目されましたが、
同時に取り返しのつかない生物種の危機も語られるようになりました。
遺伝子組み換え作物や細胞と細胞を融合させた人工の生物が、環境中に拡散してゆくと、在来の生物を駆逐して行く可能性があります。
交配を繰り返すうちに変異して想定外の生物が出来て著しく生態系を狂わせ、多くの生物の絶滅につながりかねないと危惧する見方が増えています。
この議定書成立の背景には、生物の多様性を守ることは人類の死活問題という認識が広がり、世界的な合意の必要性がありました。
この規制の対象となるのは、遺伝子組換えの農作物や微生物、科を超える細胞融合などです。
ヒト用の医薬品関連は含まれていません。
この分野はもう一段高度な医学の法的な整備が必要になり、検討が続けられています。

今年の5月10日に農林水産省は、大手の「タキイ種苗」が販売しているペチュニアの花の種や苗が、
承認されていない遺伝子組み換え技術で作られた違反品種であるとして回収・廃棄の行政指導を始めています。      

タキイ種苗が、かつてフィンランドで作られた種を輸入して、その種から更に色柄の違うペチュニアを作り2013年ごろから販売しています。
フィンランドの行政機関から違反植物であることが発表されて、このペチュニアが該当するとなり事件になってしまいました。

関連のペチュニア、合計で14品種が法律違反に当たるとしています。
種に換算して約60万粒相当を回収、廃棄しなければなりません。
全国のホームセンターや通販品を回収するのは、大変な負担ですし、既に公園や道路、学校など広い範囲で栽培されていて、回収は不可能と思われます。                          違反ペチュニア「オレンジクイーン」の購入者には返金をし、栽培農家や公共施設の損害を補償したり、実損は大きく膨らんでゆきます。

カルタヘナ法など国際的な法律は、これから更に厳しく取り締まる方向にあり、細心の注意を払わないと思わぬ損害に苦しめられるようになることを、
学ばなくてはなりません。

文責:日本オーガニックコットン流通機構 顧問 宮嵜道男 2017/7/19