Textile Exchangeレポート(抄訳)

2010~2011年オーガニックコットン最新情報

TE(テキスタイル・エクスチェンジ:米国)が、毎年オーガニックコットンの生産量を調査して発表しています。(2001Farm&Fiber Report)

今年も4月19日にレポートを入手しました。要点だけお伝えして後日、テーマごとにレポートしてゆきます。

昨年2009~2010年のオーガニックコットン生産量は、世界の綿花生産量のやっと1%を少し超えたところまで来て、更なる飛躍的な成長が期待されました。数年前からオーガニックコットン関係者は、「2012年までに10%」を達成させると、事ある毎に唱えてきました。

ところが、残念なことに全体で生産量は37%も減って15万1,079トンに落ち着きました。オーガニックコットンが全コットン生産量に占める割合は、0.7%になってしまいました。統計を取り始めて始めての「減少」です。減少した原因は、なんと言ってもぶっちぎりでトップを走っていたインドが失速したことにあります。

減少の原因は、いくつかあります。
世界の経済が不安定に推移していて、市場は、はっきりと低価格化に向いています。このような見通しがあると、農業者は、コットンを栽培する意欲を失い、他の作物に切り替えてしまいます。

農業者にとって、何を栽培するかの選択は死活問題ですGMO(遺伝子組み換え)の種の普及が激しく、非GMOの種の入手が、難しくなってきているようです。そしてインド政府関係機関のAPEDAの監視機能が、有効に働いていて不正が出来ない体制ができています。

従来オーガニックコットンを取り扱ってきた製造販売の大手企業が、ハードルの高いオーガニックコットンを止めて、農薬問題やCSR・フェアトレード問題を軽減するテーマを持った素材を取り入れるようになりました。当然規定は緩く、第三者認証もない場合もあります。どうしてもコットン製品はコストを下げて、価格競争に勝たないと生き残れないという現実があるようです。
ベストな選択からベターな選択への移行が起きています。

ベターなコットンの推進組織

*付加金とは、農業者の生活支援のため、綿花価格に上乗せするものです。

全体としてみると、インドの生産量は落ち込んだが、GMO問題に対して厳格に対応した結果、種の入手に支障が出て、オーガニックコットンの生産の足を引っ張ったということは、むしろ歓迎するべきで、インド政府が、まじめにオーガニックコットンに向き合おうとしている顕れです。急速に拡大すると必ず不正が起きるのが世の常で、このインドの自浄作用に敬意を表したいと思います。

南アフリカ諸国や中東地域の国々が勢いを見せていています。オーガニックコットン農業は、利益確保ができ、国にとっても有利であることが理解されてきています。ブラジルも量は少ないものの昨年比1,832%という増加で、州政府の力添えが続いていけば将来、一大生産国になる潜在力を持っています。

全体としては、2011~2012の生産量は更に5%程の減少が予測されています。増加に転じるには、オーガニックコットンの需要を、偏に伸ばすこと以外ありません。
オーガニックコットンの過去5年間の生産量の推移

2005/06   3万7,799トン
2006/07   5万7,731トン
2007/08   14万5,872トン
2008/09   20万9,950トン
2009/10   24万1,697トン
2010/11   15万1,079トン

2010~2011 の実績